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KANDAルネッサンス 97号 (2013.06.25) P.10 印刷用

特別インタビュー ―繋がるまちへ―


地域に根ざし、大きなコミュニティをはぐくむ


一般社団法人淡路エリアマネジメント
事務局マネージャー・日高 博人

 今、大きな注目を浴びている団体、淡路エリアマネジメント。その活動について事務局マネージャー・日高さんにお話を伺った。
「淡路エリアマネジメントは淡路町二丁目の再開発をきっかけに、住民、ワーカー、学生などの異なる属性の人々を繋ぐ組織として、昨年12月に設立いたしました。再開発施設「ワテラス」周辺のみならず神田エリアの活性化を目標に、既存の地域資源や既に確立しているイベントと連携しながら、そこに新たな要素や切り口を加えて価値を創造するというスタンスで活動を行ってまいります」
 例えば4月に行われた「JAZZ AUDITORIA」は、ジャズという新しい地域資源を使ったイベントである。しかし地域には御茶ノ水の楽器店街があり、様々な音楽を受け入れる土壌が従来からある。地域で既に活動している団体もイベントに参加しており、既存のものに新たなものが加わって、奥行きのある内容となっている。
 そして今後は同じように、新しく地域に根ざしたお茶ナビゲート、ECOM駿河台、ステーションコンファレンス万世橋とも連携を取り、面的に地域を盛り上げていく予定だ。エリア、人、すべてを繋ぐ大きなコミュニティをはぐくむ活動である。




まちと繋がるきっかけを生み出す


一般社団法人非営利芸術活動団体コマンドN
代表理事・中村 政人(左)
岡田 未代(右)

「まちに繋がりを生み出す行為だ」。自身の活動をそう表現するのは、アーツ千代田3331の統轄ディレクターでもある中村政人さん。ワテラスで開催された写真展『淡路の記憶展』の企画を行う中で、彼らが見たのはアルバムを借りた1人の男性の人生だったという。
「初めはアルバムの写真を見ていても、誰が持ち主の方かわからなかった。それが段々とわかってくると、思いや背景を感じるようになる。記憶は連鎖して甦り、たくさんの情報を与えてくれる。だから、編集する際は写真に宿る記憶がそのまま伝わるよう、ニュートラルな姿勢で臨んだ」
 また写真を撮る活動を通して、人と繋がることの貴重さを感じている。神田は人と地域の繋がりが強い分、外部から来た人はなかなか入るきっかけが掴みにくい。しかし撮影という挨拶を通して思いを伝えることで、繋がるきっかけを生むことができるのだ。
 今後の活動として、昨年秋に東京電機大学跡地で行われた「TRANS ARTS TOKYO」の第2弾を企画している。エリアの中でまちに触れる機会となるイベント、そしてそこから生まれる出会いが、新たな神田を作っていくだろう。




時代を越えて人を結ぶ


東京藝術大学アートイノベーションセンター
非常勤講師・三好 大輔(左)
教育研究助手・田中眞奈子(右)

 4月20日、第150回神田学会で上映された神田の街を映した8ミリや16ミリフィルムの映像。この地域映像アーカイブの活動を行っているのが東京藝術大学アートイノベーションセンターだ。2006年に8ミリフィルムの販売終了が発表され、またフィルムの劣化や散逸が進むなか、フィルム文化を保存・継承するために何かできないかと考えたことが活動を始めたきっかけだと三好さんは語る。今まで活動を行った地域は墨田区、丸の内、足立区の3ヶ所。
 現在、神田での映像アーカイブの立ち上げを計画中とのことで、他の地域との違いを聞くと、「人と人の繋がりの強さ」が印象的だという。人づてに情報が広がり、様々なところから声が上がる。この繋がりの強さを田中さんは「神田明神のように住民の心のより所があると、町や地域のコミュニティが安定するのかもしれない」と分析する。
 またフィルムの魅力は、「時代を超えて地域や人を結びつける力」があるところだという。かつての光景を懐かしみ語り合う。自分の家族の在りし日を見て涙する。若い人にとっては、今とは違う景色を見るなかで、町や人の歴史、紡いできた思いなどを感じることが出来る。時を超えて繋がる映像。その完成が待ち遠しい。




普段の生活の中でも繋がる絆を築きたい


ワテラススチューデンスハウス入居者
明治大学理工学部・中ノ森正貴

 ワテラススチューデンスハウスは、地域活動をすることが入居条件となっているユニークなマンションだ。ここに住む学生の1人、中ノ森正貴さんに入居理由を伺ったところ、海外で運動会を開催するというボランティア活動がきっかけだったという。
「活動の中で、人との交流がすごく楽しかったんです。海外での経験を活かして、国内でも地域の方と交流したいと思い入居しました」
 地域活動はゴミ拾いやタウン誌発行など多岐に渡り、すでに様々な催しが開催されている。中ノ森さんはそうした活動に参加しながらも、ゆくゆくは自分たちで企画する段階まで発展していけたらと考えているそうだ。活動を通して、地域の人とはイベントのみで繋がる絆ではなく、普段の生活の中でも繋がる絆を築いていきたいと意欲を見せた。現在4年生の中ノ森さんは1年しか住めないということを非常に意識しており、自分たちの活動から後輩に残せるものを作りたいとすでに長く続く計画を見据えていた。
 学生とまちが関わり生まれる新たな輪。初めての試みとなる活動に、ぜひ注目していきたい。



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