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神田資料室

KANDAルネッサンス 97号 (2013.06.25) P.2〜3 印刷用

特集・地域をつなぐ 第150回神田学会記念事業レポート


石川雅己区長
 今春、神田に大きな変化が訪れた。御茶ノ水ソラシティ、ワテラス、JR神田万世橋ビルと多くの新施設がオープン。中でもワテラスは商業施設、コミュニティ施設の他、オフィス、マンション、学生マンションを備えた多目的複合施設である。 新たな住民・在勤者を迎え、同じまちに住むものとしてこれからどうコミュニティを築いていくのか。
 第150回を迎えた神田学会では、その大きな課題を取り上げ「コミュニティ」をテーマに4月19日、20日の2日間に渡ってイベントを行った。その中で、石川雅己千代田区長は次のように述べた。
「千代田区は江戸開府以来400年の歴史がストックされている。それらをどう未来に継承していくかが課題である」。
 祭、歴史、人……多角的な観点から、神田のまちのこれからについて考える。



【19日18:00~19:00 神田祭を楽しむお祭り入門講座】

日本三大祭の一つといわれる「神田祭」を盛りだくさんの内容でご紹介。神田神社様の全面協力をいただき、当日は錦連合・鳥居様の司会の下、開催いたしました。 

開会挨拶(神田神社権宮司 清水氏)

 神田神社、清水でございます。今年5月に開催いたします、神田祭は2年に1回というのが江戸時代からの原則です。しかし前回の神田祭の年に3.11が起き、残念ながら中止となりました。今年4年ぶりとなるお祭りをすばらしいものにするため、今日このお祭り入門講座を開催させていただきました。
 このワテラスには六千人以上の新しい在勤者、さらには330世帯の新住民の方がお住まいになられます。そうした方々と交流を重ね、この祭りを通して、皆さまに神田の歴史と文化への理解を深めていただきたいと思います。
 今日ご参加された皆さま一人一人の思いは違うと思いますけれども、傍観者であっていただきたくはありません。お祭りは広く門を開いてございます。積極的に地域の住民の皆さまと触れ合い、交流を重ね、そして絆を作っていただきたいと思っています。
 今日わずかな時間ですけれども皆さまが心に残る一歩を踏み出す、そうしたチャンスにしていただければ幸いでございます。

神田神社・神田祭解説(神田神社権禰宜 岸川氏)

かつて天下祭と呼ばれた神田祭。
特に神輿宮入は各町会のお神輿が次々と参拝し、
祭のハイライトとなっている。
 神田明神は正式な名称を神田神社といい、江戸の総鎮守の神社でございます。現在東京都心、神田、日本橋、大手町、丸ノ内、108の町会の総氏神様です。ご創建は天平2年(730)。お祀りされている神様はだいこく様(大己貴神(おおなむちのみこと)または大国主命(おおくにぬしのみこと))、恵比寿様(少彦名神(すくなひこなのみこと))、平将門命(たいらのまさかどのみこと)の三柱でございます。
 神田明神の一番大きなお祭りがこの神田祭です。江戸時代は9月15日に行われまして、山車がたくさん出る祭りでございました。江戸幕府が公認し天下祭というふうに言われ、2年に一度行われます。その特徴なんですけれども、まず江戸城の中に入るお祭りということです。江戸城に入ると将軍様、御台所、大奥、そういった方々が上覧いたしました。
 続いて現代の神田祭です。現在の神田祭は8~9日間かけて行われます。まず、お神輿の方に神様の御神霊を遷すお祭りが行われます。お神輿はおよそ200基、それぞれに神田明神の神様をお乗せします。3日目に神幸祭が行われ、4日目の神輿宮入。宮入では町会の神輿が神社の方に朝から晩までお参りをするというお祭りになります。5日目は、表千家家元奉仕による献茶式でお茶を献上し、夜には明神能(みょうじんのう)を行います。最終日は例大祭。氏子町会の各代表が集まり繁栄、平和、安全を祈念し祭典が終了いたします。以上、簡単ではございますが神田祭の説明でした。

お祭りファッション講座

 会場から選ばれた3名のモデルにスタイリストの長谷泰雄さんが、着付けをしながら解説を行いました。モデルが着用したのは、腹掛、ダボ(鯉口)シャツ、股引、半纏、雪駄もしくは地下足袋です。男性と女性(2パターン)それぞれ粋な若衆に変身です! そして町会の方々による、祭装束のバリエーションも紹介されました。

左■ロングヘア女性(髪:高い位置でお団子、手ぬぐい:くわがた、帯:角帯)
中央■男性(髪:前髪を上げて額を出す、手ぬぐい:ねじり、帯:角帯)
右 ■ショートヘア女性(髪:特になし、手ぬぐい:喧嘩かぶり、帯:巻き帯)

 
画像左■右から、白いダボシャツ・ふんどし(締め込み)、半股引(はんだこ)・帯にさらし、白いダボシャツ・ふんどし(締め込み)、白の上下・地下足袋・草履、個人名を入れた町会の半纏(印半纏(しるしばんてん))、黄色にオレンジの帯・草鞋掛け・草鞋・足袋に雪駄

画像右■江戸消防記念会の四区五番組組頭と同副組頭。半纏のラインが四本で四区(一~十一区まである)、背に五番で五番組を表す。これはかつて火消は顔がわからなくても半纏によって所在を表していたためである。

お神輿担ぎ方講座 (錦連合 鳥居氏)

 当日は台棒(お神輿の棒の部分)のみを使用して、地元町会の方々と、会場の参加者とともにお神輿の担ぎ方を実践しました。
 まず棒へのつき方は、お神輿を中心に前後に分かれて入るのが基本です。棒の外側に立ち、左側は右肩、右側は左肩を棒に入れます。足はその場で上下するような動きです。
 合図は拍子木で行い、担当する方は木頭(きがしら)と呼びます。木頭は馬(神輿を支える台)に立って木(拍子木)を打ちます。
 お宮の前に行ったら、手を伸ばして棒を上げ、空いている方の手で叩きながら「サセ、サセ」と言います。下ろすときは「肩、肩」という言葉が合図です。
 馬を入れて木が入ったら、担ぐのをやめて下ろし木頭の合図で手を締めます。担いだ参加者からは「肩が痛い」「リズムが難しかった」という声が上がりました。
 また、棒の太さや長さはお神輿によって変わるそうです。慣れないと対応できない部分もあるそうですが、楽しく担いでくださいという言葉で締めくくられました。

お祭り参加時の注意事項 (錦連合 若林氏)

 錦連合の若林美保と申します。基本的な装束っていうのは、地域や個人の好みによって違いがあります。一式揃えなくとも大丈夫ですので、好みでちょっとずつ買い足していくのもいいかと思います。ただ、お神輿を担ぐということは思った以上に全身を使いますし汗もかくので、やはり祭装束が適していると思います。
 最近はあまり担ぐのが上手ではない子でも担がせてもらう機会が増えましたが、お祭りというのは長年まちの方たちが受け継いできた神事です。神田祭は神田神社のご神事であり、その方たちが大切に守ってきたお祭りだということをしっかり心に受け止めておいてほしいなと思います。最低限すっきりした格好で担ぐ、だらしない恰好というのは神様やまちの人たちに失礼と思います。
 あと女性の方なんですけれども、アクセサリー関係、特にピアス、時計、指輪は危険です。お神輿を担ぐときは思った以上に接近しますから、つけないことがベストかと思います。それと手足の爪にも、気を付けていただきたいと思います。
 最後ですけど、お祭りは「ハレの日」ですので、自分の好みの装いで、楽しく、恰好よく、ケガのないように楽しんでいただくのが最高かと思います。

お祭りに参加したい方へ (多町二丁目町会 田畑氏)

 初めに、厳しいことを言うかもしれませんが、お神輿が神事であるということももちろんですけど、私どもも去年から準備を始めて、大変な思いをしながら開催をしております。
 まず始まるまでに資金の調達で、氏子さんに何度も頭を下げます。そうして初めてお祭りの始まる準備ができるというわけです。それからこういう台棒だの、神輿だのを出してきてトラックに積んで、丸一日かけて運んできて納める。それも簡単に納められるのではなくて、組み立てたりしなくちゃいけない。様々な苦労をして、すべて片付けが終わるまで半年くらいかかるんですね。
 ですから本当に担ぎたいなら、どこかに伝手は必ずあるはずですので、そこから辿っていって、半纏を借りて担いでいただきたい、というのが本来の筋であろうと思います。
 辛辣なことを言っているとは思いますけれども、これは皆さんにわかっていただきたい。ぜひなんとかして半纏を借りて、楽しく愉快に、盛り上がって神田祭に皆さんも参加していただきたいというふうに思います。

神田一本締めによる閉会

 最後に会場にいる全員で神田一本締めによる締めを行いました。
 神田一本締めは全部で10回の独特な締め方です。3・3・3・1のリズムで行い、手締めをするときは必ず起立します。
 当日は江戸消防記念会・四区五番組組頭、渡辺さんの木遣りの後、全員で締めを行いました。
(木遣り)
江戸の昔より栄し神田祭 粋な若衆が勢ぞろい 
景気よく担ぐ日本一の神田祭、イヨーォ!

 こうして、会場が一体となってお祭り入門講座は終了いたしました。


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