KANDAアーカイブ

神田学会
お知らせ 神田資料室 神田マップ 神田写真館 百年企業のれん三代記 神田の花咲かじいさん 出版物紹介 神田学会とは 神田学会資料請求 関連リンク Perspectives in English 神田アーカイブとは リンクについて 問い合わせ

神田資料室

KANDAルネッサンス 98号 (2013.11.25) P.1 印刷用
【マーチエキュート神田万世橋】
なかだえり
 5年の歳月をかけて昨年、大規模な復原工事が完成した東京駅。見事に息を吹き返した赤レンガの駅舎は、新たな観光スポットとして人気を博している。古い建物好きとしては、時を経た近代建築が、汚いものや悪いものではないことが証明されたようでとてもうれしかった。
 この流れを汲むかのように、東京駅と同じく辰野金吾の設計による旧万世橋駅の遺構を生かした商業施設「マーチエキュート神田万世橋」が今年9月にオープン。ときは東京駅よりも2年早い1912(明治45)年の開業だ。往時は中央線のターミナルとして栄えた駅舎だったが、交通博物館時代を経て、老朽化などを理由に2006年に閉館となっていた。その後はじっと息を潜めていたかのように見えていたが、こうしてまた現代に時を刻み始めた。
 しゃれた飲食店や雑貨をめぐりながらも目に留まるのは、歴史や記憶をとどめた遺構たち。コンクリートむき出しのアーチ天井、70年ぶりの公開となる旧万世橋駅開業時に作られた「1912階段」、1935年に設置された「1935階段」、駅舎の基礎の一部を保存した「遺構サークル」など。また新たに旧ホーム部分に設けられたカフェと展望デッキは、今と昔をつなぐようなスペースだ。時が重層した空間は、わたしたちに刺激を与えてくれる。
 そして関東大震災後の帝都復興事業として1930(昭和5)年にかけられた万世橋もまた時代を象徴する独特な造形だ。こうした歴史の積み重なったものがあると、まちというものは不思議と大人っぽく見えてくる。

●マーチエキュート神田万世橋
千代田区神田須田町1丁目25番地4
TEL:03-3257~8910(代表) ※代表電話受付時間は9:30-18:00です。
11:00~23:00※営業時間は各店舗に異なります。
http://www.maach-ecute.jp/
なかだえり
岩手県一関市生まれ。日本大学生産工学部建築学科卒業(宮脇檀空間居住デザインコース.若木研究室。卒業設計桜建賞)。法政大学大学院建築科修士課程修了.陣内研究室。
現在、東京・千住にておよそ190年前に建てられたといわれる「蔵」をアトリエとし、フリーランスで本のさし絵、建築設計、執筆など多分野で活動中。
ページの先頭へ

戻る

ホーム ホーム