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神田資料室

KANDAルネッサンス 94号 (2011.11.25) P.1 印刷用


「安くて、おいしくて、素直な洋菓子。
リーズナブルだけど、チープではない洋菓子。
ぜいたく品ではない、そんな洋菓子を」
 四代目のご主人 吉田太郎さんのことば


近江屋洋菓子店のホームページを見てみた。
お店の姿勢が、
お客との間柄が、
市場との間柄が伝わってきた。
他にはなかなかない、伝わってくるもののあるホームページだった。

お店は、地下鉄丸の内線淡路町駅のすぐ近く。
戦災で奇跡的に焼け残った一角で、古いお店が残っている。
町が続いている。
町の精神的な何かが続いている。

大田区にある果物市場へ行くことから毎日がはじまる。
以前、市場はすぐ近くの秋葉原にあった。
その時からの顔見知りに、
旬で、やすくて、おいしい果物の情報をおしえてもらい、仕入れてくる。
まるで果物屋のホームページを見ているようだ。
町と人が続いている。

できるだけ包装はシンプルに、過剰包装をしない。
その分、やすくて、おいしいものをとこころざしている。
可愛くて、おしゃれで、あたたかい包装紙のイラストは、
当時、美大生だった女性が描いたもの。
戦後からずーっとこのデザイン。
「これ私が描いたのよ、ずーっと使ってくださってありがとう」と
先日、年配の女性がお店に来てくださった。
それをきっかけにイラストを少しリニューアルした。
全体的なイメージは変えないで、絵の内容を若干変えて描いていただいた。
町と人とこころざしがつづいている。





「ここの洋菓子は、不思議ともたれないんです」と知り合いの女性がそっと教えてくれた。
友人の個展に差し入れで、ここのクッキーを持って行ったら喜ばれた。
洋菓子はちょっと気取ったりした時にいただくイメージがまだある。
買い物ついでに寄れる、気楽でおいしいお店がご町内にあるのがいい。
いろいろ味わってみたいが、ご町内に住んでいないのでという方に、
ネット販売の態勢もあるという。未来へ続く町の洋菓子店だ。
だけど、あくまで町の洋菓子店だ。


いさかかつじ (絵ッセイスト)
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