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神田資料室

KANDAルネッサンス 89号 (2009.06.25) P.6〜7 印刷用

特集②乙女のかんだまち歩き

「『神田』と聞いて思い浮かぶものは?」
周囲の人にこんな質問をしてみた。下町、オフィス街、ビジネスマン、居酒屋……。様々なキーワードがあるが、多くの人に共通するイメージのひとつに「神田は男性(オジサマ)の街」というのがあるようだ。
 しかしそんな神田に、今ちょっとした変化が起きている。女性ならではの視点で神田の魅力を発見し、楽しむ人が増えているのだ。
 今年3月、そんな「女子」のための神田案内『乙女のかんだまっぷ』が刊行された。つくったのは、神田のWEB制作会社で働く小林絵美さん。乙女心をくすぐる神田の魅力とは? 小林さんに聞いた。

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「オフィス街の無機質さと、下町っぽい雰囲気が同居しているのが神田の面白いところ」と小林さん。 以前からまち歩きが好きだという彼女だが、2年半ほど前、東京の地域情報を発信するブログサイト「トーキョーワッショイ(http://tkyw.jp/)」の神田コラム担当になってからは、積極的に店や街の人に取材をするようになった。そんななか知り合った神田西口商店街の方から、「神田駅周辺をPRするツールをつくってほしい」と依頼されたのが、今回のマップ制作のきっかけだという。
「神田には会社勤めの女性も多いはずなのに、昼時以外はあまり見ないなという印象があって。『女性たちにも、会社に来るついでにもっと神田を楽しんでほしい』という思いから、乙女をテーマにしたマップをつくりました」
 小林さんにとって乙女心をくすぐるポイントは、懐かしさと可愛さ。それを踏まえて、マップには彼女自身が好きな場所をメインに掲載したという。店のほかにもお稲荷さんや猫がいるスポットなど、小林さんが描いた可愛いイラストとともに紹介されていて、見ていて飽きない。
マップは神田駅周辺の店舗等で手に入れることができるが、既に増刷が決定するほどの人気。街の人によると、女性だけでなく男性にも好評だという。
「落ち込んでいるとき、心を丸くしてくれるような場所が“乙女スポット”。マップ片手に、ちょっとした幸せを感じてもらえたら嬉しい」と小林さん。
 それでは実際に乙女スポットを歩いてみたい! ということで、今度は小林さんに神田を案内してもらった。

いざ、神田の
“乙女スポット”へ———。

 まち歩き当日、マップ表紙に描かれた少女のように、レトロな着物を着た小林さん。明るい花柄がよく似合う。今回僭越ながら乙女の仲間入りをさせてもらった私、編集スタッフの鷹野も着物を着て気合充分!「乙女のかんだまち歩き」が始まった。

casanuova shop
 まずは鎌倉橋近くのcasa nuova shopへ。大正14年創業の洋家具の老舗、楓屋が営む輸入雑貨の店だ。店内にはステーショナリーやバスグッズのほか、無添加のイタリアン食材などもある。小林さん曰く「いろんなアニマルグッズが揃う店」。どれも可愛く、プレゼントにも最適だ。神田祭を控えていた取材当日、併設されたギャラリーには、鎌倉町会の小神輿が鎮座していた。

 続いて神田西口商店街の傘専門店、カシワヤへ。店内を埋め尽くす色とりどりの傘は、常時1000種類ほどが揃う。神田で三代続くこの店は、元々洋品店として創業。現在のご主人、秋山利昭さんの代に傘専門店となった。10年前から始めたネットショップは、傘のネットショップ界で「東の横綱」と呼ばれているとか。秋山さんによると傘選びのポイントは、「ファッション性だけでなく傘骨のつくりを重視すること」。いい傘はある程度値段が高くても、修理して長く使うことができる。当たり前のように傘が使い捨てされる昨今、上質な傘を大切に使うのは、何だか素敵だ。
 
カシワヤ
 
 秋山さんに着物に合う浴衣地の日傘を見立ててもらい、次のスポット、喫茶&和酒Bar茶釜へ。神田駅西口ガード下の店内は、以前スナックだった場所をそのまま使っているという。着物姿で迎えてくれるのは「女将見習い」のゆみえさん。実は今回の着物はゆみえさんにお借りし、着付けもしていただいた。
 もちもちのきしめんと玄米のお丼をいただいた後は、茶釜で沸かしたやわらかいお湯で淹れる珈琲を。エチオピアの野生の珈琲「リム」の力強い香りで、頭もすっきり。
 
喫茶&和酒Bar茶釜
 
 茶釜をあとにして多町通りへ。ここには小林さんお気に入りの豆腐店、越後屋がある。名物は、100%国産大豆と室戸の深層水にがりを使った「バケツ豆腐」。藻塩が入っていて、何も付けなくてもほのかな塩味と豆の香りが楽しめる。ご主人の石川義昭さんに勧められたのは、何とメープルシロップがけ。試してみると意外と合っていて、豆腐があっという間にデザートに。「2、3人分でもいけちゃいます」と小林さんも大満足だ。
 続いてもうひとつ、多町通りのおすすめポイントへ。1階に大信不動産が入っているレトロなビルだ。小林さんの提案で、ここで記念撮影。まるでタイムスリップしたような、懐かしい雰囲気の写真が撮れる。
 
マイボトルに入れられた、自家製豆乳
 
 
 今度は一八通りを神保町方面へ。古本と器と自然栽培の野菜の店、べじかへ向かう。アーティストの作品、雑貨、アクセサリー、可愛いもの、渋いもの。すべてが一緒くたになった空間はなぜか心地よく、つい長居してしまう。店長のちえこさんによる、ハッピー占い(要予約)も人気だ。

 べじかで雑貨を見たあとは、神田須田町の路地にひっそりと佇む高山珈琲店へ。落ち着いた店内は、一歩足を踏み入れるだけで不思議とホッとする。「珈琲もケーキもトーストも全部美味しい。それにマスターが渋い」と小林さんも大好きな店。ブレンド珈琲はマイルドな「プラージュ」と、苦味とコクのある「メール」の二種類。気分によって選ぶのも楽しい。

べじか
  しばし時間を忘れてゆっくりしたら、いよいよ最後の店、宿場へ。地元の人が集まるこの店、初めて入るのはちょっと勇気がいるが、一度入ればその気取らない雰囲気にすっかりくつろいでしまう。男性客がとても多いが、こういうアットホームな居酒屋、実は女性も好きではないだろうか。旬の魚と美味しいお酒で和みながら、小林さんに聞いてみた。「小林さんにとって、乙女って?」
「どこかで聞いたことですが、乙女は『乙な女』と書きますよね。乙は甲乙丙の真ん中で、誰もに受けるわけじゃないけど、わかる人にはわかる良さのこと。自分なりにいいと思えるものや自分の価値観を信じて行動できる女性。そんな人が神田の良さをたくさん見つけてくれるといいなと思います」


【「かんだもん」メンバー募集中!】
 小林さんがこのほど発足させた「かんだもん」は、
神田駅周辺エリアのプロモーションを目的としたチーム。
月一回定例会を行い、情報媒体の作成、祭りやイベント、
神田ならではの体験の紹介など、様々なアイデアを
出し合いながら神田を盛り上げるべく活動している。 
神田が好き、神田に興味がある、神田を盛り上げたい
という方なら誰でも参加OK。
お問い合せはkandamons@gmail.com まで。
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