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KANDAルネッサンス 91号 (2010.06.25) 印刷用
表紙◆「神田日和」のこぼれ話17

神田志乃多寿司 代表取締役 原田恒男さん

いさかかつじ


 
 今回の表紙はおいなりさんをドカンと描こう。神田志乃多寿司だもの。そう思ってひとつのおいなりさんをドカンと描いた。どうも様にならない。おいなりさんとのり巻きの8ヶ入り詰め合わせを描いたら何とかなった。おいなりさんはたくさん有る方が似合う。みんなで食べるという気配をもってることに気がついた。だから遠足や運動会がよく似合っていたのだ。「おいなりさんはみなさんのおふくろの味なんです」と言う神田志乃多寿司の三代目、原田恒男さんのことばもうなずける。創業してから100年も、それぞれのおふくろの味を越えていくってスゴイ。


改修工事を終えて、新しくオープンした店舗
志乃多寿司の味って何だろう?
「うちのいなりずしは、ごはんだけ食べたら少しすっぱい。しかし油揚げは甘めなんです。味は口の中でのハーモニーだと思ってます」
「伝統の味は複雑にできています。いつも同じようにすることを心がけていますが、なかなか気にいったようにはできません」

おいなりさんを作るロボットってあるのかな?
「あるでしょうが、うちでは使っていません。ごはんとごはんの間に空気が入らないと複雑な味にならないからです」
「うちには支店がありません。新宿の伊勢丹と池袋の西武、浅草の松屋に売店がありますが、すべて手作りです。朝早くから作りはじめます」


 明治35年(1902)に初代の原田直平さんが創業。当時は自動車ではなく箱車で都内を配達していた。二代目の原田直翁さんはアイデアマンだったそうで、今も折りの蓋に使われている谷内六郎氏の絵、包装紙の鈴木信太郎氏の絵などモダンでどこか郷愁を誘う可愛い絵は二代目の時代から。当時二代目が乗っていたフォルクスワーゲンのボディに《志乃多寿司》のロゴマークを大きく書いて東京中を走り回っていたら評判になり、車のカタログにその写真が載ったりもした。

二代目原田直翁さんの口癖は「老舗に乗り過ぎてはいけない。時代に乗り遅れてはいけない。乗り遅れると次に乗るときは年月がいる」

三代目の原田恒男さん

 この3月に改修工事を終えて新しくオープンした。「耐震工事などの理由もありますが100年を越えて四代目が新しい時代に対応できるようにとの意図もあるのです」と三代目は言う。志乃多寿司のあるこのあたりは戦災でも焼けなかったし、バブルの波にも煽られなかったので老舗と呼ばれる店が多く残っている。四代目の原田勝信さんは今、地元の老舗の若手と、この町を活き活きさせようと動きはじめている。

 志乃多寿司のおいなりさんには代々の見識が詰まっていた。











神田志乃多寿司
東京都千代田区神田淡路町2-2
TEL.03-3255-2525
いさかかつじ・町と人を訪ねるイラストレーター
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