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神田資料室

KANDAルネッサンス 74号 (2005.07.25) P.160 印刷用
神田のいろどり28

緑道の彫像

坂野 豊

少女像・泉/北村正信作
 街を歩く楽しみの一つに、裏道や小路で思いもかけぬ彫刻やモニュメントに遭遇することがある。頭の片隅に「気掛かりの件」を抱えながらの往復や、あらぬ方に気を取られ漫然と通過してしまう時もあるから、意識して歩かないと、それは存在していながら見えないといった現象が起きる。
 地元、九段下から神田一帯にかけては、アートゾーンとも言うべき特異な地域で、本誌68号でも「彫刻街区」としてそれらの作品のいくつかが紹介されているから、ご存知の読者も多いことだろう。が、実際に足で確かめて…と、条件がつくと、きわめて少なくなるに違いない。
 彫刻やモニュメントがさりげなく据えられた小空間は、都心ビル群の中にある「坪庭」と見て取れば、こんなにも豊かな宇宙が街のあちこちに存在する地域はまれで、しかも、それらが道行く人に鑑賞することを強要せず、ビルのふところに密かに抱え込まれていて、発見者だけが拝見!とあいさつを交わし、近寄って会話が成立するといった作品が多いのも、この地域が気に入っている理由のひとつだ。
 さらにちょっと足を伸ばせば、自然の中、緑の風の動きを肌で感じながらの鑑賞も可能だ。千鳥ヶ淵緑道では熊谷貴美子、北村正信、峯田善郎等の作品に好きなときに出会える。かの桜見物の大行列と喧騒がウソのような同じ道に「もったいない」世界がある。
坂野豊 グラフィックデザイナー
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