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神田資料室

KANDAルネッサンス 73号 (2005.04.25) P.160 印刷用
神田のいろどり27

日本橋川——花筏(はないかだ)

坂野 豊

 神田川は小石川橋で日本橋川に分流する。名のとおり、一ツ橋を過ぎて、お江戸・日本橋の下を流れ隅田川に至る。分流してすぐの三崎橋を渡ると、旧国鉄貨物専用の跡地に近年再開発されたアイガーデンエアがあり、川沿の歩道には桜が植えられている。最近のことで知られていないこともあり、まだ静かでお気に入りの散歩道の一つで、しかも穴場のひとつだ。
 写真は日本橋に最後に架けられた「あいあい橋」からの昨年のスナップで、左に桜並木が眺められる川面に、上流から流れつく花筏のいく筋。井の頭池にはじまる神田上水は、善福寺川や妙正寺川と合流、淀橋、落合、江戸川公園、関口、水道、飯田橋などの各地を巡り、そこかしこから降り注ぐ落花を寄せ集め、筏を組みながらここに辿り着き、さらに流れ去る。
 日本橋川という名を知ったのは、かなり後年で、川の上を高速道路がまるで「蓋」のように併走することもあり、目立たず無視され続け見るからに可哀想な流れは、九段下に事務所を置いてから、ぐんと身近な存在に変わった。しかも歴史的な変遷を記憶していて、川に架かる橋を追って、魚河岸・日本橋からの荷揚げ場ともなった鎌倉橋や錦橋、台所町跡碑のある俎橋、常磐橋詰には、お金の台所「日本銀行」まである。
 川は文化の流れとも言われる。写真の橋桁のあたりの筏の一筋は、椿山荘や関口芭蕉庵の桜に違いない。この日、私にはなぜかそう見えた。
坂野豊 グラフィックデザイナー
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