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神田資料室

KANDAルネッサンス 62号 (2002.07.25) P.160 印刷用
神田のいろどり16

株式会社吉田

中西隆紀

「一針入魂」手縫いの美学を現代に活かす
 ポーターが鞄を抱えて一歩前へ。あのラベルをよく店で見かける。そう、例の吉田のマークだ。この商標は40年前からのものだが、その創業者故吉田吉蔵さんは吉田カバンの会長。「一針入魂」を座右の銘に手縫いの美学をつらぬいて、昭和10年以来創業半世紀を超えていた。それを現在支えるのが、100名を超える社員である。
 創業は羅紗屋さんが並んでいた当時の神田須田町。そして現在はファッション産業のメッカでもある馬喰町のすぐ隣り、東神田だ。
「吉田カバンに泥を塗る気か」
 会長がこう叫んだことがある。ストーンウォッシュの鞄を商品化しようとした時だ。若い感覚を根っからの職人は理解できなかった。しかし若い社員達は彼を陰で支え、商品は売れた。
 こうした対立は良き製品を造り上げる上で避けて通ることはできない。そうした土台があってこそ今の吉田カバンがある。2種のブランドがあり多少値段は張るが、皆本物志向というところがすごい。この辺り自社ブランドにこだわり続ける由縁だろう。このショールームには常時百点あまりのシリーズが展示されているのは壮観だ。土日休み。展示のみで小売りはしない。

千代田区東神田1-17-6
ショールーム(営業時間10:00〜17:30)
中西隆紀 フリーライター
1947年、大阪生まれ。多摩美術大学油画科卒。神田で『本の街』を創刊。『神田300年地図』発行。著書に「幻の東京赤煉瓦駅—新橋・東京・万世橋」(平凡社新書)。
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