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KANDAルネッサンス 83号 (2007.10.25) P.2〜3 印刷用
特集 都心で鉄道を楽しむ

神田鉄道散歩


鉄道がブームである。「テ鉄ツちゃん」を取り上げたテレビドラマや漫画がヒットし、それまで鉄道に興味のなかった人たちも、鉄道のおもしろさに気づき始めた。神田界隈は鉄道ファンには有名な電車スポットらしい。都心では見慣れた高架線のある風景を歩いてみた。

 鉄道ファンを大きく分けると、①とにかく列車に乗るのが好きな乗りテツ、②写真を撮るのが好きな撮りテツ、③鉄道に関するものを集めるのが好きな収集テツ、④模型を製作・収集・運転するのが好きな模型テツになるという。今回鉄道スポットを案内してくれるのは、模型が趣味の牧潤一さんと和田周さんである。
 さて最初の鉄道スポットは旧交通博物館。鉄道ファンならずともここを訪れた人は多いはずだ。交通博物館が東京駅北側高架下から万世橋駅敷地に移転してきたのが昭和11年(1936)。以後70年間、神田の地で多くの人に親しまれてきた。その跡地利用は神田の人間でなくても気になるところだが……。
「欧米の科学系博物館には必ずといっていいほど館内に内製工房を持っていますが、日本ではあまりないようです」
 こう話す牧さんは、旧交通博物館の模型のメンテナンスや精密模型の設計・製作を手がけており、工房は博物館内、つまり中央線の高架下にある。一方の和田さんは学生時代、交通博物館の目玉であるパノラマ模型運転場で模型を走らせるアルバイトをしていたという。牧さんとは鉄道愛好団体「鉄道友の会『模型部会』」で知り合った。二人とも交通博物館には縁が深いのだ。
松住町架道橋
 次は万世橋。橋を取り囲むように中央線、京浜東北線、山手線、新幹線、総武線が走り、神田川には観光船も。行き交う電車を見ているだけでも楽しい。絶好のトレインビュースポットだ。
 そして神田を代表する景観のひとつ、赤レンガの高架線。震災や戦災に耐え、都心の足を担ってきた。かつてここに万世橋駅があったことを知る人も多い。今も中央線の線路に挟まれるように、ホームだけが残っている。肉の万世からはそのホームを確認することができる。
さて、総武線秋葉原〜御茶ノ水間にはふたつの鉄橋がある。ひとつは昌平橋交差点をひと跨ぎするように架けられた松住町架道橋。スパン72mの鉄橋を電車が走り抜けていく様は迫力がある。
「都心を走るために高架にして、道路を越えるためにわざわざつくった鉄橋のことを架道橋と言いますが、現存する架道橋としては一番古い」と牧さん。
神田川橋梁
ケン クラフトのオリジナル模型
 もうひとつは神田川を斜めに横切る神田川橋梁だ。神田川をハの字に跨ぐ橋脚がダイナミック。
 線路に沿って淡路坂を上っていくと聖橋。ここからの眺めも格別である。ふたつの聖堂、御茶ノ水駅のホームに次々と入ってきては出発していく電車。総武線と中央線の立体交差。一瞬地上に出てまたトンネルに吸い込まれていく地下鉄丸ノ内線…。まるで巨大な鉄道模型レイアウトを見ているようだ。
 和田さんにとって、新型車両はどれも同じようで面白みがないという。「中央線ならオレンジ、総武線なら黄色、山手線なら緑の車両だった頃が懐かしい」
ポポンデッタ秋葉原店
さだまさしの『檸檬』という曲には次のような一節がある。
「喰べかけの檸檬聖橋から放る/快速電車の赤い色がそれとすれ違う」
なんとも色鮮やかなワンシーンだが、そのオレンジ色の中央線快速電車(201系)も、昨年よりステンレス製の新型車両(E233系)に切り替え中である。2008年3月いっぱいで見納めになるという。
天気がよければそのままかえで通りを抜けて、水道橋方面まで足を伸ばしてもいい。
 神田須田町からの鉄道散歩は、小さな発見がたくさんあった。鉄道の面白さが少しわかった気がした。神田で鉄道の奥深さに触れてみてはどうだろう。

■参考文献
「図説駅の歴史」<ふくろうの本>交通博物館編、河出書房新社、2006。
「テツはこう乗る」<光文社新書>野田隆著、光文社、2006。
「鉄道考古学を歩く」<JTBキャンブックス>浅野明彦著、JTB、1998。
「東京 電車のある風景 今昔II」<JTBキャンブックス>吉川文夫著、JTB、2001。



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