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KANDAルネッサンス 72号 (2005.01.25) P.15 印刷用

神田菓子めぐり3

万惣フルーツパーラーの「ホットケーキ」

文・片山喜康

 神田須田町交差点に建つ「万惣フルーツパーラー」は、弘化三年(一八四六)創業の老舗である。江戸時代、隅田川から神田川を遡って船で運ばれて来た野菜や果物は、万世橋のたもとで陸揚げされ、秋葉原の青物市場、通称『やっちゃ場』に運ばれ、江戸庶民の食卓を賑わした。
 市場に近いこともあり、梨、柿、蜜柑など季節の新鮮な果物を取り揃えた「万惣」は、古くから名店として知られていた。
 明治三十四年(一九〇一)、宮内庁御用達を賜り、その後、マスクメロンを販売するなど、いち早く西洋の食文化を取り入れ、昭和元年(一九二六)にはわが国で初めてのフルーツパーラーをオープンした。
 そんな「万惣」の名物として、昭和二年(一九二七)、二代目社長青木惣太郎氏によって考案されたのがホットケーキ。古き良き東京の味を愛した作家池波正太郎は、その味を「持続の美学が消滅しつつある現代の日本で、昔の味わいが奇蹟的に保たれている」と称賛した。
『ホットケーキ』630円(税込)
 焼き立てのふっくらしたケーキにまんべんなくバターを塗り、お好みのサイズにカットしてから、黒蜜などをブレンドした特製のメイプルシロップをたっぷりとかける。カットしてからシロップをかけることで、ケーキの側面にもシロップがしみて、より美味しくいただける。
 パーラーのウインドウ越しに、須田町交差点を行き交う人や車を眺めながら、今も変わらぬ東京の味をゆっくりと賞味する。東京人ならではの至福の時間といえよう。

万惣フルーツパーラー
〒101-0041 東京都千代田区神田須田町1-16
TEL 03-3254-3711 営業時間 11:30〜20:00(ラストオーダー) 定休日 日祭日



片山喜康
1949年東京生まれ。食の専門誌「味の手帖」の編集を経て、現在「食」に関する取材、執筆を中心に活動。「花と団子の東京散歩」小川和佑著、「我輩はビールである」小泉武夫著などを企画・編集。著書に「花と俳句の東京散歩」がある。
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