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神田資料室

KANDAルネッサンス 70号 (2004.07.25) P.13 印刷用

Myガーデン9

新御茶ノ水アーバントリニティビル 千代田区神田駿河台

せせらぎが心地よい、憩いの空間

江戸城の石垣を再利用することで、風情ある池が完成。

水・緑・生き物のトリニティ

 池の中にフナやメダカが住み、秋にはたくさんの果樹が実をつける。そんな場所が神田にあるのをご存知ですか。神田駿河台に位置するビル「アーバントリニティ」には、「トリニティ(三位一体)」という名前のとおり、水・緑・生き物の連鎖を大切にした憩いのスペースがあります。
「もともと私が趣味で緑に親しんでいたこともあり、当社の企業理念に『自然環境維持』というテーマを取り入れています。そして、このビルのあらゆるところでそれが活かされているのです」と話すのは、アーバントリニティビルの管理責任者である山崎脩さん(ザリブラコーポレーション(株)取締役社長)。
 静かな東側には「リフレッシュパーク」が設けられ、在勤者や近隣住民がほっと一息つけるスペースになっています。山崎さんはここに、様々なこだわりを採り入れました。例えば樹木。落葉樹を中心に植えているのは、「秋に葉が落ち、春にまた芽吹く」という四季の移ろいを大切にしているから。また、鳥を呼び寄せるために、リンゴ・桃・ブドウなど実のなる木をたくさん植えています。昨年の秋にはかなりの収穫があり、近隣の方などにおすそ分けしたとのこと。
 パーク内にはちょっとした池があり、その中にはフナ・メダカ・ハゼ・川エビ・赤ガエルなど、10種類以上の生き物が住(棲)んでいます。これらはすべて岡山の川から運んできたもの。また、建設中に出てきた江戸城の石垣を池の側面に再利用するなど、「動物も植物も日本ならではのものが好き」という山崎さんのこだわりが表われています。絶えず池に流れ込む水の音を聞き、生き物や木々の緑を見ていると、「ほっ」と心が和んでいくよう。ベンチに座り、池の中をのぞき込んでいる人もたくさん見てかけました。

「駿河台匂」を植たのは、感謝の気持ちから

 ビル完成までにはもちろん苦労もありました。
 「ここは*総合設計制度で建てられたビル。それを利用して、ビル側面の区道を拡張しました。元々幅3mの暗い道を、ビルの1、2階部分を内側に引き込むことで5mに広げ、レンガ敷きの明るい通りにしたのです。
また、千代田線新御茶ノ水駅の出口を導入していますが、どちらも区や営団(現東京メトロ)との交渉に、ずいぶん時間がかかりました」と山崎さんは語ります。
 駿河台匂も、青々とした葉を繁らせている。
 そのような状況の時山崎さんの支えになっていたのは、太田姫神社への参拝でした。「このビルは太田姫神社の表参道突き当たりにあり、参道の延長となるような工夫をしたいと考えていました。美化に心がけた良いビルが完成することを祈って参拝していましたが、不思議と困難もうまく切り抜けられました。その感謝の意味も込めて、ビル正面に『駿河台匂』を植えたのです」。
駿河台匂とは、桜の中では珍しい、香りのある品種。神田では太田姫神社前の通りとここだけで見ることができます。来年の春、また良い香りのする花をつけてくれるでしょう。
「ビルは建てたら建てっぱなしではいけない。大切なのはその後の管理なんです。百年先を見据えた空間づくりをしたい」と山崎さん。
 ビルの合間にありながら、自然の三位一体を感じられる。これからも、私達にとってなくてはならない憩いの場所です。
【新御茶ノ水アーバントリニティビル】
住所:神田駿河台3-2 TEL:03-5298-6480

*「総合設計制度」…歩行者が日常自由に通行叉は利用できる公開空地を設けることなどにより、市街地の環境整備改善に貢献すると認可される場合、容積率や絶対高さ制限を緩和する制度。


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