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神田資料室

KANDAルネッサンス 69号 (2004.04.25) P.15 印刷用

神田学のおケイコ Vol.4

—神田落語街道をゆく—

文と写真 湯川恵子

 秋葉原電気街からJR神田駅方向へ抜けていくあたりは、昔ながらの地名を今に残している。古今亭志ん生『黄金餅』の口演で辿ってみるとこんな具合。「…大通り出まして、神田須田町へ出て、新石町から鍋町、鍛冶町へ出まして、今川橋から本白銀町へ出まして…」
 貧乏長屋のしわいや(ケチ)坊主西念が、いまわの際に「あんころ餅が食べたい」と言う。隣の金兵衛さんが買って来てやると「一人でないと食べられない」。家に戻った金兵衛さんが壁の穴から覗くと、貯めこんだ金を餅にくるんで食べている。そのうち餅をノドに詰まらせて死んだので、この金を手に入れようと金兵衛さんが火葬場に急ぐ道中の描写の一部。こんな凄惨な話を噺に仕立てあげるとはお見事!今回は神田落語街道を万世橋から歩くことにした。
 須田町あたりの風情ある一角を右手に仰ぎつつ、鍋町の老舗高級果物店『万惣』へ。名物ホットケーキセットは1050円の甘〜い至福。ここは『千両みかん』の舞台。季節外れのみかんを食べるのが贅沢だった頃の噺。うなぎの『きくかわ』の匂いに誘われて鍛冶町へ。
NHK「ラジオ名人寄席」席亭でおなじみの玉置宏さんを育てた寄席「神田立花亭」があったのはこの路地裏、と教えてくれたのは小三治門下で私と同じ小田原出身の噺家、柳屋三三さん。そうそう、鰻といえば神田明神下の鰻屋を舞台にした『士族の鰻』は可楽の酩酊描写が絶品。
 神田駅を過ぎて、やってきたのは紺屋町。ここは『紺屋高尾(こうやたかお)』の舞台。恋煩いなんて言葉も最近聞かなくなりましたが、さてさてお職人久蔵さんと高尾おいらんの恋の行方を圓生に聞いてみましょうか。
『黄金餅』神田エリアで舞台の最後は今川橋。かつての今川橋名残の石碑まで案内してくれた神田消防署鍛冶町出張所の皆さんに感謝しつつ、鍛冶はカジでも火の用心。それではこれでお中入りにさせてもらいます。おあとは落語でお楽しみください。


湯川恵子(ゆかわけいこ
 落語歴1年生の新参者です。「何だ、カンダ」と大騒ぎしているうちに三三さんはじめ周囲の落語好きにいろいろ教えていただきました(多謝)。とはいえ教える方もなんだか楽しそうで。新入学の季節は「落語」算数、理科、社会!“神田で聞く御当地落語の会”も企画中です。(神奈川大学大学院経営学研究科在籍、小田原在住)
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