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神田資料室

KANDAルネッサンス 68号 (2004.01.25) P.2〜3 印刷用

特集 彫刻街区 神田警察通りを歩く

神田錦町にシンボル誕生!


神田警察通りにモニュメントがいくつあるかご存知ですか。
 このたび通りの中心的交差点(美土代町)にシンボル的なモニュメントが登場しました。(マップ21参照)通りの美化のみならず、人々の行き交う交差点で、きっと心の交流が生まれることでしょう。今回は、神田警察通りを中心に広がるアート空間をご紹介します。


Further Improvement 更なる向上
(千代田区神田錦町1-2-1 昭栄錦町ビル)
(協力 市川企画設計事務所、株式会社タガミ・イーエクス、
NPO法人神田学会)


作品に思いを寄せて

原 智(金沢美術工芸大学助教授)
 神田の街にはすでに多くの作品が設置されています。街角を飾るその作品群は、具象・抽象はもとより、石材を彫刻して表現したもの、銅板を何万回も叩いて作ったもの、丁寧に鋳物で仕上げられたもの・・・・などなど、様々な空間をそれぞれの作家が想いと技術を一つの作品に込めて作られた作品達が、町のあちらこちらに彩りや潤いを与えながら存在しています。私も1年ほど前からになりますが、神田錦町の幾つかの建物に作品を置かせていただいております。それほど大きな作品ではありませんが、どの作品もビルの壁面や敷地内に置かれる事で、その建物自体の空気や周辺に豊かな表情を持った空間を提供したいという想いを持って制作してきました。
 今回の「Further Improvement」は神田美土代町の交差点に株式会社「昭栄」のご理解・ご協力のもとに設置させていただきました。
 7段のリングと階段で構成されたこの作品は、下段のリングから上段のリングへと、繰り返し階段を上昇しながら次なる「場」への移行を、タイトルの「Further Improvement」で意味する、「もっと上のほうへ・・・」「更なる向上」として絶えず向上し進化を遂げていく様子を、視覚的に表現したものです。
 作品を制作するに当って考慮しに入れたことは、観る人々の視線の移動です。青と緑に着色された作品の素材は鉄をアルミニュウムを使用しました。街を歩きながら、車で通り過ぎながら、ビルの中に入って行きながら、鑑賞者の視点の移動に伴い作品の表情も豊かに変化していく様に造形をしています。線と面で構成された構造と色彩は、距離を置いて見るときには細い面として見え、徐々に近づいて行くと面が線へと刻々と移行して行きます。特に作品の真下に体をおいて上を見上げる事で、その表情から、積層された線と面の構成の微妙な移り変わりによって、より静かにその「場」の空気を振動させている気配を感じまていただけたらと思います。
 最後になりますが、今回の作品製作に当たっては数多くの方々にご協力を頂きましたことを心より感謝しております。

街角のアクセント

昭栄株式会社 代表取締役社長 渡辺憲二
 昨年の春、NPO神田学会を主宰する久保工の久保会長から、「通りを変えて街を変えよう」という街づくり活動のお話をお聞きし、併せ、「美土代町交差点角の当社ビル玄関前にモニュメントを設置して街角にアクセントをつけたらどうだろうか」とのお勧めを頂いた。
 私は、その着想の良さに直ちに賛同した。というのは、錦町で働く前の錦町のイメージは、大手町に勤務する頃は、神田明神への初詣、あるいは駿河台下の本屋街や秋葉原の電気街に行く時の通り道でしかなく、また、たまに土日に車で駿河台下に出て来た時、駐車場を探して徘徊する場所でしかなかったからだ。言ってみれば、大手町のビジネス街と駿河台下から御茶ノ水にかけての文教地区に挟まれた両個性のぶつかり合う緩衝地帯という感じであった。この「通りを変えて街を変える」活動は、色彩りの乏しい緩衝地帯の中央を流れる神田警察署通りという川筋を魅力あるものにしようという着想であった。川そのものを目当てに人々が集まるようにするという考えは、新鮮であり、極めて納得できるものであった。
 昨年末にモニュメント「Further Improvement」は、エントランスを吹き抜けに設置された。金沢美術工芸大学の原智助教授が、「一歩一歩階段を昇って行く、更なる向上のイメージ」を、当社シンボルカラーの螺旋階段に託して制作された。久保会長のお話の通り、交差点の対岸から見るモニュメントは、街角のアクセントとして光彩を放っている。殊に夜間ライトアップした姿は、本郷通りを車で通過する眼にも印象的である。
 昨年は、当社にとって年来の夢であった東証一部への昇格を果たした。その年に、街を飾るモニュメントを制作し得たことは大変時宜を得たものであり、また、「更なる向上」というテーマは、我々の次なる課題を巧まずして示唆しているようでもある。
 神田の地に本拠を構えて50年余、このモニュメントを通して多少なりとも神田の街に恩返しすることができれば、この上なくうれしい。通りに彫刻は増え、街が個性を発揮し、人々が訪れる街になったら、どんなにか素晴らしいことだ。まだまだなすべきことは沢山ある。会社の発展にも、街づくりにも一歩一歩階段を昇って行かなければならない。

「彫刻街区」まるごとMAP
(以下、いずれも作品写真のネーム)
1 神田錦町3丁目(原 智作)   2 内神田1丁目(星 恵三作)   3 内神田1丁目(星 恵三作)   4 神田司町2丁目(松村 真作)  5 神田鍛冶町3丁目(星 恵三作) 6 内神田1丁目(宮田亮平作)7「天に昇る」星 恵三      8「空」篠原行雄          9「鳥の歌」工藤晴也
10「神田川の流れ」川口勝世   11「神田「田」の字」川口勝世   12「纒の馬簾」川口勝世
13「獅子舞」鈴木久雄      14「江戸時代の地図」川口勝世   15「両国の花火」本間陽一
16「神田祭の行列」川口勝世17「船乗り大黒」鈴木久雄    18「道祖神」関根伸夫       
19「豊かなる果実」伊藤萌木   20「鈴の緒」川口勝世   21「Further Improvement」原 智
22「豊饒 七つの莢の炎」池田政治   23「こんにちワ」相武常雄
24「トキ」原 智        25「ヒヒ」原 智     26「シュプリンゲン」宮田亮平
27「響 Heart Beat」丸山智巳  28「折鶴」三沢憲司    29「犬張り子」鈴木久雄



原 智 金沢美術工芸大学助教授 渡辺憲二 昭栄株式会社 代表取締役社長
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