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神田資料室

KANDAルネッサンス 67号 (2003.10.25) P.2〜3 印刷用

特集 通りが変われば街が変わる!
その1

「公共の色彩を考える会」による
神田警察通りオシャレ度アップ構想


このたび千代田区は「千代田区まちづくりグランドデザイン」を策定しました。この「グランドデザイン」は、千代田区区内のプロジェクトを具体的に全体像として明示、これをたたき台にし、様々な分野・立場の人々と議論を行い、まちづくりのさらなる展開を誘発していくことを目的にしています。その中で神田警察通り(及び神田金物通り)は、「皇居を訪れる人、パレスサイクリングを楽しむ人など、人の流れを誘導する、緑と賑わいの道路空間とし、大手町周辺へ連絡し、今後の神田地域におけるまちづくりの起爆剤としたい」と提示されています。
 そこで、今回特集では、「神田警察通り」に焦点を当て、起爆剤のきっかけとなる「通り」の新しい演出方法について、「公共の色彩を考える会」の皆さんと東京大学の野原さんに探っていただきます。


座談・神田警察通り

山田 さて、今日は神田警察通りを一ツ橋側から神田駅まで歩いてきましたが、いかがですか?
上野 派手さのない地味な通りで人の行き来を感じられません。歩道が狭く、車の音が高く、これはビルに反響しているからでしょうか。色味はグレー、茶系に石の素材色が多くみられた、歴史的建物、学校、大手企業が多い為か多色使いでなくトーンを抑えたものとなっていますね。
吉田 一ツ橋側と神田駅周辺と雰囲気がかなり違いますね。神田駅周辺を除くと全体的に地味で人を呼び込む店もなく、散歩道の雰囲気もない。色彩としては一ツ橋側は、まとまった茶系統、グレー系で全体に統一されていると思います。また、古い建物を活かしてみせるといった工夫がなされていないように思います。

松竹 全体的に色味のない通りですは、司町付近になるとビルが小さくなるため一戸、一戸の色が目立ってきます。一ツ橋側は緑が多く。皇居から警察通りにつながる通り沿いの店の前をカフェテラスにしたり植栽をし、整備すれば“歩くための道”として一寸した空間になるでしょう。
宮田 神田警察通りは一ツ橋側、警察署付近、そして神田駅周辺と3つの特色がありますね。一ツ橋側は歴史的な遺産、文化財的ものなので、それをどう生かすかという課題、警察署近辺は特色もなく、大小のビルが建ち並び将来的にどんな形で街並みを整備したらいいか、神田駅周辺はもっと難しいと思います。
山田 3つのブロックで、一ツ橋側、学士会館、博報堂周辺は散策できる要素はあるでしょうね。たとえば、歩道を広げ、歩行者の目線に色彩の楽しさが加われば。警察署から司町までは、無機質で、色としての特色もなく、しかも建物の正面でなく側面が多く壁の横を歩いている感じがしませんか。
建物は敷地いっぱい建てられ。歩道が狭く人が歩く通りではないようです。神田駅周辺はこうならざるを得ないのかな、それにガードは暗く、その周辺は何とかしたいですね。

「人のためでなく、車のための通り」

上野 通り全体としてはあまり色味を感じませんでしたが、神田駅に近づくとかなり雑然となってきますね。
宮田 東京電機大学の壁面タイルがブルーで、しかも面積が大きすぎやしませんか。
山田 錦城学園の緑色も少し気になりましたね。
松竹 ビルの大きさ小さくなると、どうしても隣のビルとの色が気になるのが幾つかありました。
山田 景観としては必ずしも色味がなくても、付属するもの、例えば街路樹、植栽、店のファサードに色味を加え楽しさを演出するほうが全体として美しいと思うのですが。
上野 警察通りは“人の通りでなく車の通り”だと感じます。

「魅力的でオシャレな通りにするには」

山田 車道が一歩通行で6車線もあるので、車線を減らして、歩道を広げてはどうでしょう。歩く人のため歩道を整備し、植栽、街路樹を積極的にくわえる。歩きたくなるような景観作りが欲しいですよね。
(オシャレ度アップ構想1)
宮田 歩道との絡みで、建物と歩道との段差がかなりあり、安全性から何らかの処理が必要です。また、通りには幾つか彫刻がありましたが、すこしバラバラの感じがしますので、テーマなりストーリーを持たせると良いのでは。

松竹 ちょっと、のぼり旗が気になりましたが…
上野 そば屋とかラーメン屋の“のぼり旗”が目立ちますね。
山田 全体に緑が少なく、公園もなく、目指す施設もない。ミュージアム、ギャラリー、商業集積施設など、人の集まる核施設があると往来が多くなるのだがね。
吉田 あと、ベンチがひとつもありませんでしたね。休むところがほしいですね。
上野 ここは、ひたすら神田駅に向かって歩く道。
宮田 でも、脇道に入るとほっとする、神田の面影を残しているところがあるので、そこへの誘導サイン、情報を提供するものがあると良いですね。(オシャレ度アップ構想2)
上野 税務署、警察署、保健所など公共施設が積極的に景観には配慮してほしいです。安全性もありますが、ガードレールもない方が良いのでは。
山田 通りに面した各企業がウインド、ショールーム、カフェ、店舗に利用してもらえば、かなりオシャレなストリートになりますね。それに、神田警察通りと言うネーミングがオシャレじゃない。
上野 “神田通り”なんて粋ですよ、何か行ってみたくなる。粋をテーマにした施設があると楽しくなるのでは。
山田 神田○通り、神田桜通り、神田梟通りとか・・・
 いろいろ話が尽きませんね。ひとまず、今回はこの辺りで。ありがとうございました。


 ※座談会出席者 
   共の色彩を考える会 上野幸子、松竹喜代美、宮田操、山田昌之、吉田絵里子(順不同)


オシャレ度アップ構想1●車線を減らして歩道を広げる
6車線もある一方通行は、まさしく、「車のための道」。
路上駐車で埋められ、生かされていない1車線を活用して、歩道拡張をしては如何でしょう。安心して歩ける歩道が生まれます。
 歩道が広がれば、一階部分の店舗やショールームとしての活用性が高くなり、歩行者の誘導スペースも確保できます。オフィスビルの低層部の活用次第で通りに表情が生まれます。

オシャレ度アップ構想2●ポケットパークは下町の路地感覚
空地をグリーンポケットとして活用。路地裏のホッとした雰囲気が広がるポケットパークで一休み。地域情報が掲載された「情報ウオール」で街の情報を収集。

神田警察通りには3つの顔があります。
神田駅ガード下から共立学園まで伸びる神田警察通りは、3つのゾーンに分けられます。それぞれのゾーンで培われている歴史・文化に合わせて将来像を組みたててみてはいかがでしょう?


「神田警察通り」を歩いて

島津智明(公共の色彩を考える会 会員)
 神田駅から神田警察通りを歩いてみた。
 この道はオフィスビルが建ち並ぶ中に、警察署、保健所、NTTなどの公共施設、大学や高校などの建物や、学士会館をはじめとするクラシックな建物がある。
 全体的に建物の色彩は程よく街並みに調和し、奇抜なものや目立つ看板などは特にない。靖国通りの賑やかさ、人通りの多さとは対照的に、人影もまばらである。
 ショッピングや飲食を目的としてではなく、通勤や通学を目的とした人がこの通りを訪れるためなのか、活気や華やかさがない。一方通行のこの道は、一ツ橋方面から神田駅方面への車の抜け道の役割が大きいようである。
 この中で「華やかさ」があるものといえば、それはコーヒーショップである。オフィスビルの落ち着いた外壁に対して低層部をアクセント的に利用し、壁面に絵を描き、おしゃれに演出していた。他にも幾つかの建物で低層部の演出を施しているものがあり、よい事例であると思う。
 歩道も現状のアスファルト舗装ではなく、タイル舗装や石貼りなどで、歩く人にとって楽しさ、華やかさを演出してもよいのではないかと思う。
 学士会館、博報堂、共立女子学園などクラシックな建物の持つ味わいをこの通り全域に拡大し、現代のオフィスビルと共存できる街並みをつくることが大切ではないだろうか。
(しまづ・ともあき 1960年生れ 現在、(財)日本色彩研究所に勤務。)


はじめまして
このたび神田の住民となりました。
「公共の色彩を考える会」と申します。よろしくお願いします。

私たちは誰でもが安全でせいかも快適な環境で暮らしたいと願っています。日常の中で目に入る色彩はさまざまですが、これらが私たちの生活環境を形成する大きな要素となっています。
このような色彩環境を整えて快適なものにするためにはどうしたら良いのか。さまざまな立場の人びとと共に考え、問題提起をしていく。これが「公共の色彩を考える会」の目的です。
当会は1981年に発足し、22年を迎えています。現在の会員数は約300名です。活動内容のひとつは、「公共の色彩賞<環境色彩10選>」の顕彰です。これは魅力ある景観づくりに、色彩が効果的に用いられた事例を広く紹介することを目的とする賞です。このほか公共の色彩に関連するテーマによるシンポジウムの開催や、出版、勉強会、展示会、さらには実際に街に出て色彩の現状を調査、研究する活動も行なっています。
 ごく近所に事務局を設けましたの、気軽にお越しください。
〒101-0054 千代田区神田錦町2-4 第3フクヤマビル4階46号室 TEL&fax03-5283-2166
URL http://www.sgcpp.jp/


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