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神田資料室

KANDAルネッサンス 66号 (2003.07.25) P.14 印刷用

神田学のおケイコ VOL.1

神田学ことはじめ-神田明神-

文と写真:湯川恵子

 JR御茶ノ水駅を降りる。東京の駅はたいてい出口が複数あるので辟易する。特に切符が改札機に勢いよく吸い込まれる瞬間、正しい改札を出られたか不安が頭をかすめる。降りたのは聖橋口。キョロキョロしていると都会人に変な目で見られるのでなるべく平静を装う、田舎者のプライドである。
 行く先は、先ごろ登録有形文化財に指定されたという神田明神。まずは土地の神さまにご挨拶。かの弘法大師・空海も高野山を開くにあたって紀州の土地の神々にご挨拶に行ったらしい。見知らぬ土地に行ったときは高いところであたりを見回すと全体がよく分かるそうだ。神田明神がどう「高い」のか?
社殿は地上数十mたらず。どう見ても周りのビルの方が空に近い。
 ところが、である。地球は丸い。つまり神田で最も緯度が「高い」ランドマークが神田明神なのである。
ものごとの本質は広い視野を以ってとらえるもの。大黒さまだって木々の合間から高くて広い世界を見つめている。
 神輿の宮入で有名な神幸祭、今でこそ神輿のスタイルだがその昔は山車が町内を練り歩いていたとは神田明神権禰宜の清水祥彦さん。この「神さまの御乗り物」の変遷は都市のインフラ整備と深く関わっていたそう。つまり、車の背丈が電線とぶつかってしまったために神さまの方が譲歩、より背丈の低い神輿に乗りかえられたそうな。神田の神さまは今も2年に一度、山車を依り代に高いところから降りてくる。社殿裏手に回ると、「神田神社氏子神輿庫」知る人ぞ知る通称「神輿マンション」があり、2年後の祭りをひっそりと待ちわびている。
 境内を一回りしてくると、結婚式を終えたカップルが記念撮影。白無垢に綿帽子。神域では花嫁さんと神職さん以外は帽子を取りたい。鳥居をくぐる時に軽く一礼し、帽子をとって「お邪魔します」と心の中で唱えれば、御利益倍増。くれぐれもひしゃくに直接口をつけてうがいはNG。手水舎で左手、右手、口の順番で身を清める。水を手にとって口に持っていくのがルール。神さまの前に進んだら二拝二拍手一拝。美しい所作はそれだけで神田の風景。1200年以上の時を超え、私も神田の風景になってみた。
 神田の風景は人によってもつくられる。さて次回はどこの風景に潜りこもうか。


湯川恵子(ゆかわけいこ)
 神田初心者の大学院生。神奈川大学大学院経営学研究科に籍を置き、勉学に勤しむ乙女。ひょんなことがきっかけで神田に惹かれ、当法人の会員に。「街まるごとギャラリー」をモットーに、神田の名画を求め東奔西走。澄んだ瞳に何が映るか?そして湯川サイズの額縁にどのように飾られるか、どうぞお楽しみに。
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