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KANDAルネッサンス 66号 (2003.07.25) P.12 印刷用

寄稿 都市に緑を

「トータルな視点で地域づくりを!」(千代田志民としての私見)

荒井一行

はじめに
 いつの間に、こんな風になってしまったのだろうか?市街地の風景が、全国何処へ行っても「似たりよったり」になってしまった様な気がする。コンビニにハンバーガーショップ、立喰ソバに牛丼屋にドーナツ屋。便利と言えば便利であるが、何か味気ないし、物足りない気がする。あちこちにビルの乱立が再開され、ますます拍車をかけている。
 ここ神田には、老舗のお蕎麦やさんや喫茶店、古本屋をはじめ歴史的にも個性的な街並がスポット的にではあるが、わずかに点在している。その対極にあるのが、ポピュラーなスキー・スノーボショップ、電気街などもその個性を覗かしている。
 しかし、これらの個性的なスポットも経営状況から、店を閉じる事を余儀なくされているお店も少なくない。本当に、何とかしたいものだ。
 そうは云っても、現状、遠方からお蕎麦を食べに来たり、古本を買いに来たりしている訳で、今のうちに何とかして、「観光地、神田!」、「観光地、千代田!」で、この街が元気を取り戻せないものでしょうか?!「よろしくお願いします。石川区長!!」
 ところで、私、神田に勤めて早20年、入社当時、これほどまでに地域の方と密接にお付き合いするなど思ってもみなかった。この神田学会をはじめ、様々な団体のお手伝いをする機会が益々増えてきている。たとえば、「江戸神田蕎麦の会」富士見町の「花咲じいさん」、九段の「風と花の会」など「花」、「みどり」にまつわる事が非常に多い。なお、これらの根底には共通して「コミュニティ」への欲求が求められている様に思える。「花」、「みどり」、「そば」等はその媒介であり、様々な地域で、様々な方が、様々な活動を益々精力的に実践されている。
 しかし、その反面、これらの団体と行政との調整を「総合的に、かつ、「実務的」に対処できる人材が不足している事も事実である。
 つまり、地域づくりにおいて、行政の方々が今後益々、「民の活力」を積極的に導入する「意思」があるのであれば、現在不足しているこの様な人材を補えるシステムの構築をタイムリーに配慮願いたい。
 そこで、テーマに沿っていくつかの事柄について順次私見を述べさせていただく。
コミュニティと緑化
 多くの人達に愛されるのが、「花」や「緑」である。これらは、やすらぎや潤いを与えてくれるばかりではなく、地域の「コミュニティの手段」として活発に展開し、定着しつつある。地域の学校や幼稚園と、商店街と、そして、行政と。今後がますます楽しみである。
 そして、その牽引役が、神田学会であり、富士見町の花咲じいさん、九段風と花の会、美土代町のコミュニティガーデン、屋上緑化の江戸神田蕎麦の会などがその中心的役割を担っていると思う。
屋上緑化と緑花
 屋上緑化と云うとヒートアイランド対策など環境改善策として注目される事が多いが、「コミュニティ」の側面から見つめてみると、都市の景観を向上させ人々に快適性を提供するといった効用にもっと注目されてもいいように思える。
 つまり、人々が快適に利用できる「夢のある屋上緑化」がパブリックスペースとして今後ますます増える事に期待をしたい。
 その具体的な展開は、民間にばかり期待するのではなく、庁舎や出張所など行政の施設や学校など公共の施設を順にお化粧しらどうであろう。もちろん、現在あちこちで展開している再開発が行われている地域については、「杜」や「原っぱ」を計画してもよいのではないかと思う。
 また、「江戸神田蕎麦の会」は、秋葉原のリナックスカフェ、アキバハウスの屋上緑化において地域の方々、小学校、企業と連携しながら「蕎麦の種」を播いて育てています。
 こんなことも、個性的な「コミュニティ」の側面からの「屋上緑化」と云えよう。
未利用地の有効利用と緑花
 街角のあちこちに「空地」(未利用地)、その大部分が草茫々か、アスファルトで固められている。いずれ、空地でなくなるのであろうが、それぞれの事情があるのであろう。
 その空地である間だけでも、「お花畑」、「菜園」として有効活用したらいかがなものか、わくわくしてしまう。
 一方、「神田川」については、全般的に川に背を向けているように思うが、もっともっと目を向けてもよいのではないか!神田川も年々綺麗になってきている。川に近づけるようは工夫、たとえば、つりが楽しめたり、散策できたり、いろいろな事ができると思う。また、観光用に水上バスみたいなものがあってもよいと思う。さらに言わせていただくなら、神田川の上を走る首都高も何とかしてもらいたいものである。
おわりに
 あちこちにタケノコのように出現する近代ビル!これらが、街並をどんどん変えて行く!
 その昔、西欧の人々が「江戸のまち」をみて、その美しさに感動し、「ガーデンシティ」と絶賛したと聞いている。
「地域づくり」、「屋上緑化」、「学校緑化」、「駐車場緑化」、「花いっぱい運動」etcこれらが「ことば」だけで廃れてゆく事無く、定着して行くには、やはり、「官」と「民」の連携によるさらなる発展(変遷ではなく)が望まれる。これらは関係者一人一人の意識で必ず実現すると確信する。「神田祭」が先日終り「江戸開府400年」の今年、我々が本当に目指すべき「地域づくり」について、あらためて考え、そして、この「江戸のまち」から全国に発信して行こうではありませんか!


荒井一行 
造園家、日産緑化(株)企画部長、東京都立江戸川技術専門校講師。数々のプロジェクト、イベントにかかわり、特に屋上緑化、花景観の創出を得意とする。現在、様々な地域活動をサポートする。
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