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KANDAルネッサンス 56号 (2001.01.25) P.6〜7 印刷用

特集 よみがえれ!天下祭

2003年「江戸開府四百年」に向けて よみがえるか「天下祭」
「大江戸天下祭フォーラム 2000」

 去年12月、都民念願の地下鉄「大江戸線」が開通した。
 東京を円で結ぶ、壮大な構想が実現した訳だが、その開通早々の6日後、江戸東京博物館でこれまた壮大な構想が打ち出された。
 2003年、江戸開府中400年を機に「天下祭」を再興しようではないか、という計画だ。しかもこれを、関東各地に散在する祭山車とも協力して、未来へ向けての「東京の祭」にしようではないかというもの。
 題して、「大江戸天下祭フォーラム2000」(12月17日(日))。
 今回は大江戸線開通記念として「走る大江戸。蘇る天下祭」とタイトルも勇ましい。
 若き総合芸術家、野村万之丞と、天下祭フォーラム実行委員会会長の久保金司をゲストに迎え、江戸東京博物館都市歴史研究室長北原進のコーディネートによる、文化とは何か、伝統とは何か、祭とは何か、そして「天下祭」とは——。それらをめぐって、真剣かつなごやかに討議がすすめられた。
 会場ホールは川越、佐原、栃木、静岡大須賀町からの参加も交え、挨拶に立った千代田区長をはじめ多くの賛同を得てここに実現に向けて大きく一歩を踏み出した。



 当初、山王権現だけだった天下祭も、山王に神田明神が加わることにより、江戸中期、「天下祭」はもはや徳川だけの祭ではなくなっていた。江戸町人に深く根付いていた、まさに京都に対する東都庶民最大の祭に成長していたのだ。
 江戸人のアイデンティティを支えてきた「天下祭」。その祭が忘れられて久しい。
 しかも現在、東京全体を巻き込むような祭・ビッグ・イベントというものが存在しない。東京人としてのアイデンティティを取り戻すためにも、東京の活性化に伝統と未来を融合したメッセイジを残そう。
 そして、経済社会的にも先行き不透明がささやかれている時代だからこそ若者に夢を。再生への自信を。それが祭ではないか。そのために何をしたらいいか。それは文化と伝統を踏まえていてこそ真の自信と活力が生まれるのではないか。経済活性化の方策だけ並べたてるだけではだめだ。もう一歩踏み込んだ祭の再生に今、神田・山王が起爆剤となり燃えている。

 まず挨拶に立ったの木村茂千代田区長は「未来へ向けてのすばらしい企画だ。久保さんなど町の中からこうした動きが盛り上げてきたことに感謝をしたい」と述べ、また東京都労働経済局産業政策担当部長木谷正道氏も「江戸開府四百年、観光と産業活性化のためにも、今は私設応援団ですが、ぜひ東京都庁あげてのものにしたいと考えています」という心強い励ましの言葉が寄せられた。
大江戸のお座敷で
久保金司(実行委員会会長)

 関東など各地に伝わる江戸型の山車は今、地域のすばらしい祭礼文化として定着している。それらを合わせと何と三百台近い。江戸から伝わったその山車を里帰りさせ、お江戸のお座敷でお迎えしたいと思うのですね。
 2003年は江戸開府四百年、民間から立ち上がったこの企画をスケールの大きい「東京の祭」としてぜひ行政の支援をお願いしたい。
 天下祭は山車や神輿ばかりではなく、附け祭に仕掛けがある。これでゾウやなまずの貼りぼてといった最新の情報も提供した。だから、ロボット先進国日本のロボットやハイテク光の交響楽なんかが参加したっていいんです。
 サッポロソーランまでは行かないまでも、ぜひ自由参加型の祭にしたい。
見えないものに価値があるんですよね
野村万之丞(総合芸術家)

 紅白まんじゅうがなぜ赤と白なのか。今おばあちゃんが答えられない。そういうのを伝えるのが文化なんですね。これは南のほうから来ている。赤はお金、白は幸福なんですね。 
 産業的にもお祭りをやって地域がうるおうぞということにならないといけない。言ってみれば「大江戸お祭り産業革命」。だけど経済主導型じゃただの産業革命。人の心が楽しくならないと…。
 今は洗濯機も全自動。だけど器械がやるものだから本当に洗われているのか不安なんですね。そうした見えない不安がたくさんある。元々祭というものは見えない不安の解消法だったんですね。まさに現代にピッタリ。
 伎楽面に鼻の長い猿田彦の天狗の面があります。祭礼巡行の先頭を行くのがやはり天狗ですね。鉄の杖でまず清めて歩く。天狗や獅子、そして西洋のライオン。古い伝統はグローバルな広がりを持っています。
歴史を検証しながら
北原進(江戸東京博物館都市歴史研究室長)

 江戸開府四百年だからといって、ただ派手にやればいいというものではない。歴史を踏まえて、今なぜ天下祭なのか、そいうものを検証しながら、お祭りの中に取り入れていくことがだいじだと思います。


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