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KANDAルネッサンス 39号 (1996.10.20) P.6 印刷用
我ら神田っ子1

高山書店 四代目 高山肇さん


「我ら神田っ子」は、神田にお住まいの方々にご登場いただき、神田の町の魅力や好きな所、そしてこれからの夢を語っていただくコーナーです。第一回は神田神保町で古書店を営む四代目、高山肇さん。趣味の料理が高じて8年前から始めた惣菜店“IPPIN”でお話をうかがいました。

自称“料理人”には最高の場所!
 小さい時からアメリカ文化への憧れが強くってね。ハンバーガーや真っ赤なケッチャップあざやかなオムライス……下町の台所じゃ到底似合わないものでしょ。だから、小学3年生の頃から自分でタルタルソースを作ったり、とにかくレストランに並んでいたメニューを家で研究しながら作っていたんです。それで次第に料理が好きになってきて、それだけに終わらずお店まで出しちゃったんですよねぇ。
 そんな私にとって、やはりここ神田は大変刺激的! なにしろ歴史あり、文化あり、人が集まり都市の文化がちりばめられているから楽しいですね。また、デパートに近いというのも大きな魅力です。デパートはある意味では「都市文化の専門店」。そこには時代の先端をゆく文化が集められた情報の宝庫があり、まさにエキスパートの集団といえます。
 例えば、ワイン一本買うにも店員さんとのコミュニケーション次第で、葡萄の種類や原産国の歴史・ワインの歴史など貴重な知識を得ることが短時間でできてしまう。単に会計を済ませて帰らずに、素朴なことでもいいんです。「このワインを飲む時にはどんな料理が合うの?」とか「きれいな色したワインだね」でいいんですよ。自分の知識としてインプットしてしまうと決して忘れないし、今後役立つこと間違いなし。
 私にとって、文化が毎日活発にプレゼンテーションされている宝庫(デパート)が、手に取れる距離にある。神田に住んでいると毎日が楽しいですよ。これも東京の楽しみ方のひとつだね。あともう一つ、自転車ひっかけて焼き立てのパンを買いに行くことができる。食卓に香ばしいパンのかおりが広がるなんて最高でしょ!

日々、ここに住んで良かったと思う
 そりゃ、バブル時代に神田を離れていった人もいますが、今ここに住んでいる人達は、まさに神田が好きな人だと思います。税金や物価のことを考えてみると決して住みやすいところではないけれど、それでもここに住むということは、この町に誇りを持っているからだよね。
 それが何よりも感じられるのは、地域のお祭りごとの時。神田祭は特にそうですよ。みんなとっても積極的でマニュアルが無くても肝心のところは不思議とバッチリ合う。誰かが何か言ったわけでもないのにまとまるなんて、ほんと神田の町は強いね。美しいと思います。
 いわゆる神田の気質は決して消えてないし、誇りを持っている限り外からやってきた方々にも、いい思いをして欲しいと常に考えています。だから、ここを離れようと思ったことはない。お盆・お正月は必ずここにいいます。この時ばかりは町が閑散としていて、ふと通りに出てみるといつもの風景により親近感が沸いてきて、「ここが、我が町なんだ!」って優越感にひたってしまうんですよ。

公共の場にこそ誇りになるものを残すべき
 私の夢は「大切な景観を残す」こと。コスト面で見ると住まいとしての千代田区の印象は大変ドライになってしまいますが、次世代のことを考えるとコストに見合った町になって欲しいと考えています。町まるごとやり直すことは無理なことだから、せめてこ町のディテールを大切にしたいですね。緑豊かな歩道や、ガードレールにちょっと洒落た雰囲気を加えたりといった住居に関する定番のイメージが古書街や電気街には少なく見受けられます。少しずつこのような要素を取り入れて町をリフォームすることで、人それぞれのお気に入りの場所ができますよね。そうすれば住人は増えますよ。
 それから最後に、町づくりは地元で商売するなら当然ついてまわること。だから、オーナー社長には会社経営の2割を町づくりに貢献して欲しいね。



 
 
高山肇 高山書店四代目
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