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KANDAルネッサンス 26号 (1993.07.20) P.5 印刷用

第53回神田学会レポート

大地震対策

三井ホーム(株)横浜支社 セールスマネージャー 山本久雄

 ご承知のように地震は地殻のプレートの運動が原因であり、全国各地で起こっていますが、特に太平洋側、それも房総、東海にかけての南関東地区については歴史上大地震が多く起きています。衛星観測でハワイが大平洋プレートに乗って、日本に毎年10cm位ずつ近づいていることが分かっています。各プレートの運動が規則正しくぶつかり合って歪みを貯めており、岩石の歪みは2万分の1の歪み度で破壊が起るので、プレートも巨大な岩石と考えれば、この歪みが限界にきた時に地震が起こるわけで、地震の周期説はこの事実に基づくものです。
 そういうわけで、日々地震の起こりそうな地殻を観測することにより地震の危険性を予知することが出来ます。日本の場合は地殻の観測によってある程度地震の予知が可能ですから、地形上観測の困難な大陸国のロシアや中国とくらべれば恵まれているともいえます。
 首都圏に影響を及ぼすと予想される大地震は、東海大地震、神奈川県西大地震、東京及近郊直下型大地震、房総沖大地震の4つといわれています。
 東海大地震ですが、これは駿河湾を震源として120〜130年位の周期で起っており、安政東海大地震が1854年でしたので今年で139年目に当ります。現在の観測によりますと、御前崎では30年間で15cm位沈下しており、これは安政大地震以後で計算すると70cm位沈下したことになり、又静岡市、清水市周辺でも1m位沈下してますので、東海大地震はいつ起きてもおかしくないといえます。
 神奈川県西部大地震についてですが、これは69〜73年周期といわれる相模湾を震源としており、この大地震に関するデータは最近あまり公表されていませんが、1925〜1971年の間のデータによりますと、大島と伊東市の距離は1m位縮んでいて、又大島と房総半島の距離は逆に70cmほど開いていて、現在は更にこの数値が5割位増したものと思われます。そこでこれも限界に近いものと思われ、関東大震災から今年は70年目であることにも留意する必要があります。
 我国の災害史上最悪の被害であった1923年9月1日の関東大震災。その後今日迄、首都圏を揺がす大地震が起きていません。つまり地殻の静穏期に入ったからで、その間に世界一の都市を造ってしまったのです。そして現在の各地の地殻の歪みの状況等を分析・研究すると、大地震はいつ起きても不思議ではないと判断できます。
 又、大島三原山が1986年11月に噴火しましたが、関東の地震というのは大島の噴火と関係が深く、過去の歴史からしても大地震発生のシグナルといえるのです。
 火山噴火も地殻のストレス発散の次活動です。そこで現在大島の噴火以降、周期的にいって確立の高い神奈川県西部地震が急速に注目されていて、24時間観測が行われています。
 今迄のあらゆる調査研究の結果「東海大地震」の前に「神奈川県西部地震」が発生する可能性が高いことがわかり、それが過去のケースでいうと江戸時代末期の地殻活動とほぼ同じ現象になる公算が強いと思われます。
 歴史からみると連続的(毎年数年間連続・数年置に何回も)に発生することも考えられ、そうすると、あらゆる機能が集中している都市への影響は、江戸時代「比」ではなく、国家的非常事態になる事は明らかです。
 大地震後、生き抜く為の対策を、企業も個人も検討するべきでしょう。年々発生する確率は高くかっているわけですから。
○交通 交通手段は、ほとんど寸断される 家族とはどの様にして会うか
○ライフライン 電気・ガス・上下水道が使えなくなった時の対応策
○情報・通信 電話は当然使えない デマなどの情報に左右されない ラジオ情報が正確
○生活 食料・生活用水の確保は 住宅が倒壊したらどうするか 勤務先との連絡方法は
○経済 金融不安 現金引き出しはどうなる
○商業・流通 商店閉鎖 暴動対策 物不足

 あげてみると切りがないほど 対応策を決めておかなければいけない事ばかりです。
 都市化の進行とともに自然を身近に感じられなくなりましたが、複雑な都市機能を完全に保ち、高度な土地利用を行うには、より深く自然を理解する必要があると思います。
(平成5年4月23日 クボビル会議室にて)

大地震発生予想
神奈川県西部地震
 1633年(寛永10)
>70年
 1703年(元禄16)
>79年 
 1782年(天明2) 
>71年
 1853年(嘉永6) 
>70年
*1923年(大正12)
>70年
 1993年(平成5) 
*関東大震災後発生 

歴史上の東海大地震
 1361年(正平16) M8.0
>135年
 1498年(明応7) M8.6
>107年
 1605年(慶長9) M7.9
>102年
 1707年(宝永4) M8.4 
>147年
 1854年(安政元) M8.4 
>139年
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東京圏直下型地震
(1649年〜1906年)
 1649年(M7.0)
>48年
 1697年(M6.5)
>87年
 1784年(M6.1)  
>28年
 1812年(M6.3)  
>43年
 1855年(M6.9)
>39年
 1894年(M7.0)
>12年
 1906年(M6.4)
>87年
 1993年     


山本久雄 三井ホーム(株)横浜支社 セールスマネージャー
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