KANDAアーカイブ

神田学会
お知らせ 神田資料室 神田マップ 神田写真館 百年企業のれん三代記 神田の花咲かじいさん 出版物紹介 神田学会とは 神田学会資料請求 関連リンク Perspectives in English 神田アーカイブとは リンクについて 問い合わせ

神田資料室

KANDAルネッサンス 12号 (1990.01.16) P.16 印刷用
彫刻が街にやってきた12

Minerva(ミネルヴァ)


 神田駿河台の丘の一角に、特異な造形物と風見鳥ならぬ風見ふくろうを塔の最上部に設置した建物がある。一九六二年度日本建築学会賞を受賞したアテネフランセの校舎である。
 設計は当時の早稲田大学教授・吉阪隆正氏の吉阪研究室が担当したが、この時校長であった松本悦治先生の依頼により、この造形物(ミネルヴァ)と風見ふくろうを塔屋に取りつけた。
 アテネフランセは、創立一九一三年、当時の東京帝国大学文学部講師ジョセフ・コット先生が神田区東京外国語学校内で「高等仏語」の名でフランス文学の講義を行なったことに始まる。その翌年、「コンサイス仏和」の著者、丸山順太郎氏が協力者となり、直接教授法による初等科を設けたので「高等仏語」はアテネフランセと改称された。
 このアテネとは、ギリシャのアテネにあるミネルヴァ(ギリシャな名ではアテナ)の神殿の名で、そこは哲学者や詩人が集まる場所であった。又、ローマでは、ハドリアーヌ帝が開いた学問所の名であり、今日の大学に相当するものである。ミネルヴァはアテネフランセのシンボルマークとなっている。
 ミネルヴァは、知識、工芸、技芸の女神で、ギリシャ神話のアテナと同一である。
 神話によると、神々の王ゼウスが激しい頭痛を訴えた為、商売と通信の神ヘルメスが、鍛冶の神・ヘファイストの作った楔と大槌でゼウスの頭に穴をあけた時、兜をかぶったアテナが生まれたということである。アテバは、ギリシャで最も人気のある女神である。又、ふくろうはアテナの属性であり、ふくろうも知恵を運ぶ鳥と言われている。
 このこととは、直接関連はないかもしれないが、ヨーロッパではふくろうの絵や彫刻などのコレクターが少なくない。校長の松本悦治先生もその一人で、校長室の中にも、多くの逸品がある。
 このふくろうに関しては、アテネフランセの塔に設置されている風見ふくろうを見るために、四年前、わざわざお茶の水まで足を運んだ、フランスの映画監督・クリス・マルケル氏などのエピソードが残っている。
 七十七年の歴史を誇るアテネフランセ。この地に根付いた文化の歴史を、この風見ふくろうは、ミネルヴァとともにアテネフランセの校舎の塔屋より見守っているかおようである。
(取材協力・アテネフランセ)

写真上部/風見ふくろう 写真中央/女神・ミネルヴァ
(千代田区神田駿河台2-11 アテネフランセ)



ページの先頭へ

戻る

ホーム ホーム