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KANDAルネッサンス 11号 (1989.10.10) P.16 印刷用
彫刻が街にやってきた11

「幸運を招く猪」  ピエトロ・タッカ(17世紀イタリア/彫刻家)

大薮克実

 この猪は「幸運を招く猪」といわれる彫像で十七世紀のイタリアの彫刻家、ピエトロ・タッカによる作品の複製です。本物の方は一六三八年に作られ、イタリアの古都フィレンツェの「いのしし市場」の入口に翌年の一六三九年から座り続けているのだそうで、当初の猪の方は昭和四八年八月に神田富山町に新社屋が設立されたときから、その玄関前に鎮座しております。
 なぜ玄関前に猪なのかと申しますと、これにはちゃんと理由があります。猪は「猪突猛進」という言葉があるほど威勢のいい動物ですが、その繁殖力もたいしたもので、一度のお産で三頭から十二頭もの子宝に恵まれます。育児用品主体のメーカーである当社にはとても頼もしい、お守りのようなものとでも申しましょうか。もっとも最近の人間の社会では、「少なく産んで手をかけて育てる」というのが、当節の流行のようなのですが。
 この猪の足元にある池に硬貨を投げ入れ、鼻先をなでると金運、縁談、子宝などに恵まれと言われています。その願いが本当にかなうかどうかはともかく、これまで多くの方々に親しまれ、年の終わりになると池の中に投げ入れられたお金がけっこう集まるようになりました。もちろんこのお金を当社がいただいてしまう、などという事は決してありません。一定の金額に達したところで、皆様から寄せられた善意のお金として社会福祉団体に寄付し、発展途上国の教育基金などに使っていただいており、毎年いろいろな国の方からお便りが届きます。
 そんなわけで年月とともにこの猪の像は、お散歩途中のご近所の方々をはじめ、いろいろな社外の方とのふれあいのきっかけにもなってきたようです。
 そこで最後に秘密をひとつ。この“子宝”猪くん、実は雄なんですが……。

中世のルネッサンス時代を感じさせる猪。道行く人の目をひく、立派な彫刻である。
(千代田区神田富山町5-1 ピジョン株式会社)



大藪克美 ピジョン株式会社 広報室係長
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