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神田資料室

KANDAルネッサンス 8号 (1989.01.01) P.6〜7 印刷用

特集 東京ルネッサンスを考える

街づくりフォーラム結果報告(抜粋) アンケート調査

参加者四百五十名回収率六割
 今回のフォーラムは、総入場者数四百五十名余りの方々をお迎えして行なわれましたが、以下は、その際実施されたアンケート調査の集計結果の内容です。白紙解答をを除き、総数二百五十通の集約となっています。
◎参加者の年齢構成について
 全体としては、二十代が三分の一を占め、三十代から五十代まではほぼ二割づつ、六十代以上が約一割という割合となりました。
 特に二十代では、学生の参加者が六割以上を占め、そのアンケートには、若い世代の街づくりに対する自由な発想、思想が満ちていました、
 一方、三十代より五十代にかけては、日頃街づくりにたずさわる設計家、建築家、公務員等から、会社役員、地域住民と、幅広い参加者層となりました。また、六十代では、参加者数こそ全体では少ないとはいえ、アンケート協力者の中には、相当に熱心な街づくりに対する期待を込められた方々もおり、あらためて三位一体の活動の必要性について考えさせられました。
地元をはじめ広域から参加者
 これは、「あなたと神田の結びつきは?」という質問に関して行なわれたもので、今回の参加者の意識をそれぞれの地縁という観点からとらえて見たものです。
 さて、その調査結果ですが、やはりこの神田の街との関わりとしては“在勤”が多く、全体の四分の一を占めています。以下、神田出身、千代田区内在勤、神田・お茶の水在学と続き、その他では、日本の中心・千代田区の街づくりを学ぶことを目的として各地方から参加された方々が約四分の一を占めております。
 この“その他”の人々の中には、青春時代、学生時代をここ神田・お茶の水で過ごした方々も多く、昔なつかしい思い出なども書かれていました。
 また、神田の代表ともいえる、本の街、電気の街、スポーツ店街などへ、ショッピングの為にこの街を訪れる人々も多く、より一層の街の歩く楽しさ、おもしろさ、美しさ等を要望される解答が見られました。商店街の活性化へ向け、相当な努力が必要なのではないでしょうか。
高い関心度・幅広い年代層
 今回のフォーラムは、単なる街づくり講演会とは異なり、街の音を捉えたコンサート等も加え、幅広い来場者を迎えた為、あらためて皆様へ街づくりへの関心度をお答えいただきました。
 これによると、やはり“非常に関心がある”という方が過半数を超えており、“関心がある”という方も三割を超えています。特に、三十代から五十代では、“非常に関心がある”とした方が過半数を超え、さらに七十代の参加者に至っては、七割を超える方が最も高い関心度を示されておりました。
 一方、少々気になることに、若い世代、主に二十代の社会人の方々は、街づくりに対する関心度が非常に低いという結果となりました。その数も約四割とかなり多く、中には“全く関心がない”という解答も含まれていました。これは、近年の街づくりの方向に対する一種の諦めに似た反応とも見受けられます。今後は、これ以上の“街づくり離れ”の現象を防ぐ為にも、行政も含め、一層の努力を要するのではないかと思われます。
神田らしさの追求がポイント
 ここでは、“将来、神田がどのような街になったらよいか”というアンケートを行い、現状の街に不足、あるいは必要なものは何かを問うものです。各年代の方々とも、非常に熱心に記入されておりました。
 さて、二十代の参加者による指摘の頻度が多かったのは、以下のとおりですが、この他にも数多くの提案が示されました。例えば、“古く伝統ある小学校をただ単に統廃合をさせるのではなく、生涯教育の場として有効利用を考えるべきだ”“東京のふるさととして特異性の強い街へ”等、様々な提案が出されていました。
 一方、神田へ進出する企業への注文としては“事務所だけではなく、サービス部門を神田に置いて、文化を提供する役割を果たすべきではないか”という意見なども出されていました。
 全体には、やはり“神田らしさの追求が、この街の活性化させるキーポイントではないか”という意見が多くありました。

20代“未来の神田像”
NO.項目
1伝統、歴史と現代の調和した街28.3%
2人情・下町・神田らしさの復活22.7
3企業と住民の共栄する街12.0
4街を歩く楽しさ、面白さの演出10.7
5商店及び商店街の活性化10.5
6学生街・カルチェラタンの復活5.3
7教育・文化の都市4.0
8街の整備・近代化、高層化2.7
9緑と水辺の豊かな街2.0
1024時間都市・眠らない街1.8


コミュニティタウンの再成を
 三十代の“未来の神田像”は、二十代に比較して、企業サイドからの観点も多く指摘されており、特に二十四時間都市への変貌を望む声が目立ちました。反面、学生街・カルチェラタンとしての街の発展をあまり歓迎する向きが少ない傾向もありました。
 全体としては、その内容はバラエティに富み、幅広い内容となっています。中でも“神田の街は、日本全国均一化の風潮とは異なり、自己主張を表現できる街だ”という意見や、“この街が持つふるさとのイメージを大切にした、他には類のないコミュニティタウンを再成したい”という意見などは、街づくりに対するかなりの熱の入れようが、アンケートを通して伝わってくるようでした。
 また、二十代の参加者同様、“水辺と緑”に対する意識の低さが顕著で、“都会では、このようなものを求めることは無理”といった認識をもっている方が大半を占めているようでした。

30代“未来の神田像”
NO.項目
1人情・下町・神田らしさの復活17.4%
2街を歩く楽しさ、面白さの演出13.7
3教育・文化の都市13.0
424時間都市・眠らない街12.6
5企業と住民の共栄する街11.3
6商店及び商店街の活性化9.5
7街の整備・近代化、高層化8.4
8伝統、歴史と現代の調和した街7.3
9情報化基地・国際化した街5.5
10緑と水辺の豊かな街1.3


画一化されない街づくりを
 四十代の“未来の神田像”は、神田らしさの再生を求めるとともに、住環境の改善についても強い関心が示されています。それは、人口の流出阻止のためだけではなく、近隣商店及び商店街の発展、さらには地元企業との共存共栄を促進させようとする、複合的で、機能的な街づくりを提案されています。
 また、その一環として、緑と水辺の再開発にも強い関心が集まっており、環境の整備に意欲的であることも伺えます。
 特には、古本屋街での思い出を記されている方も多く“自分の自己形成を果たした神田の役割の重要性”や“苦学生の知性や感性を支え続ける街であって欲しい”といった切望などもありました。
 この年代の方々には、一種、独特の思いがこの神田はの街に秘められている様でした。街の整備に伴い、画一化の進む神田ですが、個性豊かに、神田らしさをうまく残した開発を心がけるべきだという意見が多かったのも、そういった心情の表われだと思います。

40代“未来の神田像”
NO.項目
1人情・下町・神田らしさの復活21.8%
2企業と住民の共栄する街14.9
3伝統、歴史と現代の調和した街12.8
4商店及び商店街の活性化11.2
5緑と水辺の豊かな街10.8
6教育・文化の都市9.4
7街を歩く楽しさ、面白さの演出7.2
8学生街・カルチェラタンの復活6.5
924時間都市・眠らない街3.6
10情報化基地・国際化した街1.8


伝統文化と現代文化との調和
 “人情味、下町・神田らしさの復活”——これが五十代の参加者のイメージのようです。二十代から六十代を通して最も高い顕度で、“神田らしさ”が指摘されていました。
 また、これに伴い“伝統文化と現代文化との調和”もかなり多数の方々が関心を持っており、国際色をも取り入れた文芸・学芸の街への変貌を望む声が多かったようです。これらを通じ、“諸外国の街と姉妹関係を結べたら”といった意見も出されていました。
 一方、現在の街については“車社会優先を規制し、歩行者への配慮を十分にするべき”という提言や、JR神田駅前の街並みの美化を推進させようとする方々も多数おりました。
 全体には、街の復興・再生を主にテーマとして考える方が多く、情報化、二十四時間不眠都市などのテーマには余り関心を持たれていないようでした。街の活性化についても、定期的な“市”(いち)の開催をはじめ、各種イベントも合わせて街の活性化に関する提案が出されておりました。

50代“未来の神田像”
NO.項目
1人情・下町・神田らしさの復活29.4%
2企業と住民の共栄する街19.6
3伝統、歴史と現代の調和した街13.5
4商店及び商店街の活性化11.7
5街を歩く楽しさ、面白さの演出7.8
6学生街・カルチェラタンの復活5.9
7街の整備・近代化、高層化4.0
8緑と水辺の豊かな街3.8
9車社会の規制、歩行者優先2.5
1024時間都市・眠らない街1.8


職住一体化による活性化を
 六十代の参加者の方々は“職住一体化している状態が、街を活性化させる為に最も早い近道である”という認識が強いようです。また、“人情・下町・神田らしさ”については、ことさら指摘するまでもないのか、極、低い顕度の関心しか集めませんでした。
 逆に、緑と水辺の問題に関しては、かなり関心度は高く、教育・文化といったテーマとともに、人の住める環境づくりに強い期待をかけられていました。
 一方では、“二十四時間都市”“ナイトライフの充実を”といった意見も出されており、変化に富んだ発想が、四十代や五十代の参加者に比べ、多く見られました。
 そして、全体としては、“生涯教育”に対する関心度が最も強く、“学生の街”や“本の街”とのふれあいを通して街との接点を捜し出し、若い世代との交流も含め、活動の輪を広げていきたいという提言が多数見受けられました。
 “誇りを持てる街に”——これがこの世代の方々の全体を通してのテーマでした。

 
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