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KANDAルネッサンス 7号 (1988.10.01) P.15 印刷用

神田学会レポート・4


世界の街づくりについて


NHK特報部 大貫康雄

 今年の2月から4月にかけて、私はアメリカ南部を旅しました。そこでまず気付いたのは、アメリカはなんと住宅が安いのだろうということです。
 例えば、ロスから車で15分も走れば、寝室3部屋、浴室2部屋、前庭、ガレージ付きというような家が最高級のものでも2600万円で買えてしまうのです。マイアミも同様でした。マンハッタンであっても、100m²以下のアパートであればサラリーマンでも十分手が届くような値段なのです。
 また、カリフォルニアを旅している時、賃貸アパートの値上げに抗議して住民暴動が起こっているにも遭遇しました。
 以上のことから、アメリカ人は衣・食・住という基本的な条件については大変高い意識を持っているということがわかりました。日本人はどうも現状容認主義が強いようです。
 ではなぜ、同じ住宅問題ひとつをとっても欧米と日本とではかくも事情が違うのかを考えてみると、日本の場合、住民の意見がストレートに行政に反映されない、すなわち、“地方自治が弱い”というのが最大の理由でしょう。
 西独では、1人当りの最低居住面積を自治体ごとに制定し、それを下まわる住居には住んではいけないことになっていますし、固定資産税や大まかな土地利用計画等もすべて自治体が定めているのです。シンガポールや韓国でも自治体が公共アパートを安く供給しています。
 戦後復興のあり方についても、日本が産業復興を優先し住宅問題を後回しにしたのに対し、欧米はまず、住宅の建設や上下水道・公園といった社会基盤の整備に力を入れました。その結果が現在大きな差となっているのです。
 環境や考え方が違い過ぎるので、欧米のやり方をそのまま真似るというわけにはいきませんが、いずれにしても地方自治体をしっかりと固めていかなくてはなりません。そのためには、住民がパワーを持つこと、1人1人が確固とした考え方を持つことがまず先決なのです。

神田学会
 その名の通り神田の街を学ぶ集まり。昨年3月の設立以来、定期的にディスカッションを開いている。メンバーは地元の有識者や学識者。今回のレポートは3月22日に行なわれた第9回神田学会(公開講座)での講演の内容を要約したものである。


大貫康雄 NHK特報部
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