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KANDAルネッサンス 6号 (1988.07.01) P.9 印刷用

神田学会レポート・3

儲け倍増の商店街づくり

烏山駅前通り商店街振興組合 桑島俊彦

 今や商店街は単に買い物をするだけの場所ではなく、出会いの場、ふれあいの場であるともいえます。
 現在、中小企業庁では国の補助をうけて、年間15ヶ所の商店街にアーケードやカラー舗装、ポケットパークなどを設けていますが、その苦労も結果的にはあまり思わしくないようです。
 その原因は、ハード面だけが先攻してしまい、ノウハウなどのソフト面がたち遅れてしまったこよにあるようです。いくら設備だけが新しくなっても、同じ人が同じ品物を同じように売っていたのではだめなのです。
 また、商店街の活性化を図ろうと思ったらその街に財力をつけることが大切です。街の力が無いところでは小売店の繁栄など有り得ません。
 そこで私たち烏山商店街では、もっと上部団体(行政)に積極的に協力することにより街に財力をつけようということで、「背伸びの効用」すなわち意識改革をすすめました。商店街の総会などを都内の一流ホテルで、しかも区長や大臣クラスを招いて行ったり、区主催の勉強会などには進んで参加するようにしました。
 すると行政側の対応も、“烏山商店街は周辺の商店街の最大公約数——どうせお金を使うならあてになる商店街へ”というよになり、資本の投下も増え、また同時に、商店街のメンバーひとりひとりも社会性と次元の高い判断力を身につけることができました。
 そうした努力が認められてか、全国で唯一の「ICカード」の実験モデル地区に指定され、この10月より実験に入ることになっています。「丸井」「西武」といった大型資本は現金よりもカードの顧客を大切にしようといっています。なぜならカードの顧客というのは“少ないお金をいかに生かして使うか”という人達、つまり我が国の大多数を占める「中産階級」であり、また、“お金をためてから物を買ったのでは流行についていけない”とする「時代を先取りしたい人達」であるからなのです。
 これからの商店街を考えていくと、このカードというものは好むと好まざるとに関わらず、もはや避けては通れないものといえます。
 いずれにしても、商店街を活性化しようとする場合はまずソフトづくりから始めることが先決で、ハードはその後であってもかまいません。それも絶えず新しいことをやっていかないとこれからの時代は生き残っていけないでしょう。
 そしてもう一つ重要なことは、地元の商店街の人達が危機感を持つことです。いざとなったら土地ごと売ればいいなどと思っているようではだめなのです。
 一緒に暮らし、一緒に営業している地元の人達が共に考え、共に苦しむ……つまり良い人間関係のもとで各人がやる気さえ起こせばたとえどんな小さな商店街であろうと活性化は可能であると私は考えます。

神田学会
 その名の通り神田の街を学ぶ集まり。昨年3月の設立以来、定期的にディスカッションを開いている。メンバーは地元の有識者や学識者。今回のレポートは3月22日に行なわれた第9回神田学会(公開講座)での講演の内容を要約したものである。


桑島俊彦(くわじま・としひこ)
世田谷区・烏山駅前通り商店街振興組合副理事長。全国商店街振興組合連合会青年部長など様々な肩書きをもつかたわら、全国各地で商店街づくりのノウハウを講演している。
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