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神田資料室

KANDAルネッサンス 2号 (1987.07.01) P.5〜6 印刷用

特集 神田川を考える

ミュージアムストリート 水遊路編夢通 FROM お茶の水 TO 小川町


顔のある“道”を創ろう!!
久保金司

 表情のある道は歩いていて楽しい。顔のある道は、顔のある町に通じ、顔のある町は舞台となって、道と建物の調和が生まれる。
 下町の道は庶民の知恵で、狭い路地に面する家々が植木鉢を並べて家毎にもう一つの顔が演出され、路地オアシスを形成していた。
 古地図を広げると駿河台に池田坂と称された坂道がある。江戸時代から現代まで同一の線形を残す貴重な道であり、大久保彦左エ門や勝海舟も通ったであろう歴史の道でもある。近頃“道灌道”と名付けられ地域の人々に守られている。大正海上のビルができてグリーンベルトがめぐり、美しい環境ができた。大田姫神社が隣接し、坂の上にはニコライ堂があって、鎮守の森の形態もある。
 この道を、江戸時代にあった「神田上水」を演出して「水と緑と彫刻のあるコミュニティ道路」——ミュージアムストリート——を創造して、我が千代田の顔ともなる道づくりを提案したい。願わくばこの道に接する建物の所有者の協力をいただいて、建物の顔に化粧をするつもりで植樹なり坪庭を造ってもらえたら、それだけで道に顔ができる。そして行政の指導と協力を得て歩道を広げ人と車の調和を計り、小川と植樹のスペースを生み出して、人々のコミュニケーションの場を創っては如何だろうか。この絵は環境デザイナーの中嶋猛夫氏の協力を得て、街づくりの一つの提案としたものです。


「ミュージアムストリート」の提案
中嶋猛夫

 通称、中道と呼ばれる歴史ある坂道を人々が快適に歩き、周辺住民との憩の場として楽しめるコミュニティ道路の夢を久保さんよりお聞きし、具体的な絵にして提案したのが下述のものです。
 計画地は、E電御茶の水駅南の明治大学とニコライ堂に挟まれた駿河台南斜面の巾十一メートル、長さ三百八十メートル程の坂道。車の交通量は少ないが人通りは多く、歩道は狭く景観性は美しくないのが現状です。
 計画上の主要テーマは、御茶の水、神田上水など歴史的に水に縁の深い土地柄から“水”を選び、緑の豊かな自然味を加えて、水の造型性、音楽性、歴史性を表現した、青空の下のアート、ミュージアム・ストリートとし、大人はもちろん子供達にとっての情操教育の一助にもなることを考えたものです。
 上述計画案は、水の変化の物語性を表現しました。A 高台の井筒に湧き出た水が小川となって樹間を流れ、B ニコライ堂の井戸の前を通り、C 急坂のせせらぎやカスケードとなり、滝の裏側が通れる D 大滝となり、坂下の E 大噴水池に流れ込み、F の水草池や小供達のジャブジャブ池から太田姫神社の参道橋が掛る G 鎮守池に落ち着く展開を表現しました。この提案は、多くの人々に喜んでいただけるコミュニティ道路づくりの為の夢であり、たたき台です。


図中キャプション
A 井筒と流れ
B 洋風井戸 昔、ニコライ堂には井戸があった。
C カスケード
C’せせらぎ
E 大噴水
F 水草池
F’ジャブジャブ池
G 神社参道
H 水琴窟(神社水屋)
久保金司 神田学会会員 
中嶋猛夫 環境デザイナー・学術博士
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