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神田資料室

KANDAルネッサンス 2号 (1987.07.01) P.4 印刷用

特集 神田川を考える

アートによるまちづくり宣言 神田川祭り始動!


 この秋、神田川の上で「新たなコミュニティ祭り」を始めたいと思っています。
 神田でまちづくりにかかわっている人、地元のアーティスト、神田川をきれいにする運動をしている人等々—それぞれが、それぞれの思いをこの祭りに結集しています。これが《神田川祭り》です。
 私たちが祭りに托した願い、祭りの主な目的は次の四つです。第一回目の今年は、《プレ神田祭り》として企画の内容とその実施方法、全体の運営にあたっての諸問題を、実践を通じて共に発見、検討しているところです。将来は、千代田祭りに位置づけて地域の人々を中心としながら、誰でもが参加できるコミュニティ祭りに発展させてゆきたいと願っています。神田を愛する人々の参加とご協力をお願いいたすと共に、ご意見及びアドバイスを求めています。

一、都市における水辺の復権をめざします。
 川はかつて生活の中でさまざまに利用され、奥行きのある豊かな都市空間を形成していました。祭りを川とその周辺で繰り広げ、この忘れられた都市の空間、水辺の復権をめざします。水辺を楽しみ、そこに多くの人々の関心を向ければ、川はもっと美しくなるはずです。川が生活に潤いをもたらすはずです。
《神田川祭り》で乾いた都市に水を!

二、人々の新たな出会いの場をつくります。
 神田では、いま急激なオフィスビル化が進んでいます。それに伴い周囲の商店の様子も変りつつあります。「神田地域の生活者」は、もはや従来の「神田っ子」だけではありません。
 「祭り」は共同体のさまざまな伝統を培い、伝承し、展開していくものです。共同体の在り方が変化すれば、新しい形態の祭りも必要でしょう。
《神田川祭り》は、土地に生まれ育った人はもとより、そこに職場や学校がある人、買い物に来る人、そして転居したけれど今なお神田を想う人までをも巻き込み、世代を超えた人々の新たな出会いの場をつくります。またその中で、新たなコミュニティ、新たな「神田っ子」の心意気をつくります。

三、アートをまちづくりに生かします。
 「アート」と「祭り」——一見チグハグな組み合わせですが、アートもむかしは芸能でした。その芸能は祭りと一体でした。現代芸術も、ギャラリーやコンサートホールからはみだして、都市のさまざまな空間で展開され始めています。
 一般に「本のまち」「学生のまち」として親しまれる神田ですが、このまちは東京の古くからの中心として、常に人々を熱っぽく刺激してきました——祭りを育てながら、いろいろな芸術を育みながら。
 事実、このまちには多くの芸術家が活動しており、まちづくりには役立ちたい願っています。「祭り」の力を借りて、アートの従来の殻を破り、そこに芸能の持っていた土着的なエネルギーを取り戻すことをめざします。
 アートは未来的な神田を演出すると同時に、きっと川や都市に眠っている祝祭性を掘り起こしていくでしょう。

四、神田の心意気を川の全流域へ、そして世界へ広げたい。
 「祭り」の行われる範囲は普通、氏子の住んでいる地域内です。これに対し、これまでの制度から比較的自由な「川」および「水辺」で行われる《神田川祭り》は、将来的には神田地区に限らず、川の上流から下流、さらには東京湾にいたるより広範な地域にそのイベントが拡大する展望をもっています。
 さらに《神田川祭り》の精神を、全国の、そして世界各地の水辺の都市に広げ、そこに住む多くの人々と交流していきたいと願っています。
 以上四つの目的に向けて、《神田川祭り》の実践を通じ人々が川に親しみ、川を友達にしたとき、川の環境は甦えると信じています。
 また、歴史的遺産である神田川と日本橋川を親水公園化して、都会のオアシスとするためにも、千代田区の宣言通り「教育と文化のまちづくり」の一つとして役立つことができれば幸いであると思います。

神田川祭り実行委員会


【囲み】
川のある町はよいものである
昔、江戸は水と緑の美しい街であった
川を利用して、人や物を運び都を発展させた
鉄道や車の発達は舟を見捨てた
多くの川や掘は役割を終え埋められた
台風がやって来た、大雨が都市を破壊した
人々は都市の安全を叫び治水を求めた
利水から治水へ、災害から都市を都市を守った
都市の川は防潮堤で覆われた
都市が発展し産業優先が川を汚した
人々は川の浄化を訴え、工場は去った
川は再び生気をもどし、つり舟を浮かべた
利水から治水へ、そして環境美化へ
今、人々は水辺環境の大切さを知った
江戸の遺産「神田川」の景観を甦らそう
神田川祭り実行委員会
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